思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

「北朝鮮市民への人道援助」と「北朝鮮政府への制裁」をセットで行うこと

2006-07-13 | 社会思想

日本のNGOが北朝鮮の各地方に入り、直接、食料と衣料と医療の援助を行うー日本政府は出来るだけの支援をNGOに対して行い、あらゆる便宜を図る。
ただし、北朝鮮の政府に対しての援助=物質供給はストップする。
もし、北朝鮮政府が、この直接援助を断ったならば、「日本の市民は、人道主義に基づく最も有効な援助をしようとしているにも関わらず、北朝鮮政府がそれを妨害している」ことを、あらゆるメディアを通して繰り返し訴える。

援助とは、一人ひとりの困窮する人々に対して行うものであり、政府や権力機構に対して行うものではない、という「市民主権・中心思想」を全世界に向けてア・ピールする。と同時にその直接援助の方法を具体化するアイデアを考え、試していく。

北朝鮮に限らず、きめ細かな、ほんとうに現地の人々の役にたつ援助のありようを考え生み出すことは、世界の人々を救うと共に、日本という国の存在価値を高めることにもなります。

感情的に他者を排撃するのではなく、政府レベルと市民レベルの次元の相違を踏まえて、国家対国家という思想を乗り越える政策を大胆に打ち出すことがもし出来れば、そのときわが国は、世界から畏敬の眼差しをもって遇されるでしょうーそれ以上の国益はないはずです。国家主義という集団エゴイズムを乗り超える思想=言動が、世界をリードする日本を生むのです。口先ではなく、実行。試行錯誤しながら、世界の市民との直接交流のパイプを太くし、まったく新しい市民関係を誕生させるための課題に日本政府が本気で取り組み汗を流すー国家主義の恐怖を超えるためには、自ら率先して国家主義を放棄することが必要です。世界のふつうの多くの人々に歓迎され敬愛される国を敵視することは、誰であれできないのですから。これ以上の安全保障はありません。

上記は確かに理想論に見えるでしょう。しかし、原理的に思考すれば、このように考えるしかないはずです。現実を変えうる理想論は、もはや理想論ではありません。

武田康弘


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