思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

哲学とは何か?主観性の知をめぐってー山脇vs武田・討論会

2006-12-03 | 恋知(哲学)

『哲学とは、ほんらい客観学ではない』、というのが私・武田康弘の主張ですが、近代のヨーロッパ哲学はその点が明確ではありません。強い一神教(キリスト教)の「絶対」・「超越」という概念と結びついた哲学は、「普遍性」の追求(共通了解を生み出し深めること)と「絶対的真理」(原理的にあり得ないこと)との区別を曖昧にしてきたために、全く不要な難解さを結果したのです。

哲学とは、主観性を豊かにする知の営みであるということ(我々が学校で習う客観学は、知の手段であり目的ではない・知の目的は、主観性の深化・拡大・豊穣化にある)。これを私はこのブログ「思索の日記」で繰り返し主張してきましたが、この問題をめぐり、私と山脇直司さん(クリック)との間で討論をすることになりました。『哲学とは何か?主観性の知をめぐって』という最大テーマです。

今週の土曜日・12月9日の午後3時から7時まで。白樺教育館で行います。参加ご希望の方は、白樺教育館(クリック)までご連絡ください。20名までですので、先着順です。

討論に至った経緯のメールと、竹田青嗣さんからのメールを下に貼り付けます。
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----- Original Message -----
From: yamawaki
To: 白樺教育館ー武田康弘
Sent: Tuesday, November 21, 2006 9:02 PM

武田さま
カサブランカからの便が遅れたためドバイで一日足止めをくらい今帰ったばかりです。私が日本から唯一の参加者で、アラブ系の学者が沢山いたので、相当疲れました。モロッコの学生も大勢来ていました。現代のグローバル化時代における哲学の役割について、当地(ラバト)の新聞記者からインタビューも受けました。ただしアラビア語ができないので、大半は英語、少しはフランス語でやりくりし、頭のモードがまだ日本語になっていません。
それで、下記の件は私の責任大ですが、あのような中途半端な形では誤解を招くばかりなので(インターネットの両義性?)、むしろそのものずばり、哲学とは何か、民知とは何か、いつか一時間くらいかけて話させてもらえませんか。私の根本の哲学には、初期ハイデガーによる「主観性の哲学」批判やアーレントの哲学があって、そこが武田さんとの大きな違いだと思っています。
山脇直司
――――――――――――――――――――――――
----- Original Message -----
From: 白樺教育館ー武田康弘
To: yamawaki
Sent: Friday, November 24, 2006 12:10 AM

山脇直司さま。
お返事、遅れました。
・・・・・
私が思うには、もし、私(とそれに賛同する白樺同人たち)の思想である「主観性の知」に対して、山脇さんに異論がおありなら、山脇思想の芯をコンパクトに示していただけないでしょうか?
私の方は、すでにブログに数回以上、「主観性の知」について書いていますので、それに対して山脇説を書いて頂いてもよいと思います。
その後、それをもとに対話=座談会をするのがよいと思いますが、いかがでしょうか?
?主観性の学を始めようhttp://www.doblog.com/weblog/myblog/29972/2232341#2232341
?主観を消去するシステムhttp://www.shirakaba.gr.jp/home/tayori/k_tayori67.htm
?哲学するための原則についてhttp://www.doblog.com/weblog/myblog/29972/2609191#2609191
?全体知と部分知(討論のための前提)http://www.doblog.com/weblog/myblog/29972/2618293#2618293
?欲望存在ー公共性の源泉(公共哲学の原理)http://www.doblog.com/weblog/myblog/29972/2618319#2618319まだ、いろいろありますが、このくらいに絞って、と思います。(主観性プロパーは最初の二つです。)
・ ・・・・・
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ということで、討論会開催となりました。
この討論会について竹田青嗣さん(クリック)から以下のようなメールを頂きました。

----- Original Message -----
From: TAKEDA Seiji
To: 白樺教育館ー武田康弘
Sent: Wednesday, November 29, 2006 1:38 AM

12月9日は、残念ながら参加はできませんが、とても有意義な討論会だと思います。
客観性を重んじる考え方は、コントの実証主義いらい、哲学の観念論的伝統への批判ですが、
社会というものは、基本的に事実学ではなく、本質学、つまり関係の学として捉えられる必要があるので、
主体と主体の関係の原理を基本とする「主観性の知」を基礎にすえることがとても重要、というのが竹田の考えです。
観念論というといろいろ批判されていますが、観念論の意義がずいぶん誤解されてきたと思います。
ともあれ、また結果がアップしたらみたいと思っています。
がんばってください。
竹田。
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武田康弘

(写真は、昨年8月・左から山脇氏、武田、竹田氏)


コメント
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