思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

グルダの弾くモーツアルトを聴きながらー天才とふつう

2007-02-25 | 私の信条

「ふつう」が偉大であること、
「当たり前」にかなうものはないこと、
これ以上はない至高のものとは、飾らず、武装しない「裸の人間」からしか生まれないこと。
グルダのモーツアルトはほんものです。
聴いていていつも感じるのは上記のような哲学です。

グルダのピアノは、明るくて愉しいです。
テンポは確実です。
何もしていなように自然ですが、実は、細部まで濃やかな神経が行き届いています。
即興演奏のように自由なのに、大人の落ち着きがあります。
動と静が一体なのです。

秀才とは、既成秩序の枠内の小さな才ですが、
天才とは、自由に飛翔する才のことです。
グルダは、まさに天才ですが、天才とふつうとは、実は同じ側にあるもの。
秀才は、既存の思考枠・価値観に固執して生きるしかない気の毒な才のこと。

ゲーテの「天才を与えよ。さもなくば死を与えよ。」は、まだまだ修行が足りないのです(笑)。「ふつう」を獲得すればいいのですから。

私が好きなのは、天才とふつうです。


グルダの弾くモーツアルト・ピアノソナタ17番(KV576)
 幻想曲(KV475)
 ピアノソナタ16番(KV570)
(1978年9月、ミュンヘン・ヘラクレスザールでの録音)
を聴きながら。


武田康弘



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