違うからこそ互いが必要、違うからこそ惹かれ合う、「他者性」とは深く大きな悦びをもたらすもの。
例えばそれは、男と女の関係をみれば誰でもすぐに分かります。男と女は大きく違う、だからこそ嬉しく愉しく悦ばしい関係になれるわけです。
ほんらい、「違う」ものには強く魅かれるのです。
何か不自然は意図が働かなければ、違いは面白いのです。男性にとっては、女性のもつ女性性には強く魅了されますが、女性が女性性に興奮することはありません。逆もまた同じです。
「違い」はほんらい魅力的なもの、それが敵対や排除になるのは、不健康な心、弱い心
がもたらすものです。
同質者だけで固まるのは、目先の狭い損得勘定で生きる人間に共通のエゴです。
既得権を維持し、精神的な淀みと甘えの世界で生きようとすると、もっともらしい理屈つけて他者を排除することになります。そのような不健全な言動とともに生きる人はやグループは後を絶ちませんが、彼らの人生は永遠に不幸です。幸福を言い・求めながら、けっして幸福にはなれません。
「他者性」とは、ほんらい魅力ある世界です。特定の価値意識やイデオロギーに染め上げられていなければ、面白いものです。「尊重しなければならぬ」という要請ではなく、自然で柔らかい心でいれば、そこに引きつけられるもの。
違うからこそ惹かれ合うのです。健康な精神ならば。
武田康弘