思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

再審請求中の死刑執行!法務省の責任は重大

2009-06-06 | 社会批評
今朝の東京新聞(24面)には、
飯塚事件で、久間三千年(くまみちとし)さんが犯人とされ、昨年10月に死刑執行されたが、これは冤罪の可能性があり、なぜ法務省は死刑執行を強行したのか?大きな疑問が残ると書かれています。

警察庁・科学警察研究所が開発した「MCT118」の鑑定により有罪とされたのは、今回の足利事件と同じ。この科学警察の鑑定技術は未熟で、科警研とは別に鑑定を実施した石川夫(いくお)帝京大学名誉教授(法医学)は、「当時の科学警察の鑑定はずさんだった」と証言。石川教授の研究室では久間被告のものは検出されなかったという。法廷でも「こんな鑑定は私の教室では通用しない」と証言した。

久間さんは、昨年8月、「真実は無実であり、これはなんら揺らぐことはない。私は無実の罪で捕らえられから拘置所に14年間収監されている。今年の1月9日で70歳になった」と書いた。弁護団も「昨年9月に久間さんに会いにいったとき、再審請求の話をしたらとても喜んでいた。その一ヶ月後に・・・・」と言葉を詰まらせたという。

村井敏邦・龍谷大法科大学教授(刑法)は、「死刑執行の段階で、事件当時の鑑定法に問題があることは常識だったし、科警研の研究結果も法務省は熟知していたはずだ。強硬に死刑執行した責任は重い」と話している。

なんとも残酷なことですが、無実の可能性がある死刑囚を殺してしまったわけです。
法務省には説明責任があります。ダンマリを決め込まないで、最低限の責任は果たさなければいけません。官を絶対化して人権を軽視する法務省では、存在意味がありません。無実の人間を死刑にしたとしたら、その罪は計り知れないものです。

武田康弘
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする