思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

ケストナーの『飛ぶ教室』より

2009-06-15 | 日記
以下は、世界中で愛読されてきた児童読み物―ケストナーの『飛ぶ教室』からです。

みなさんは、できるだけ幸福でいてください。そして、おかしくておかしくて、その小さなおなかがいたくなるほど、愉快(ゆかい)にやってください。
でも、ただ一つ、自分をごまかしてはいけません。また、ごまかされてもいけません。不幸にあったら、それをまともに見つめることを学んでください。うまくいかないことがあっても、あわてないことです。不幸があったてもくじけないことです。へこたれてはいけません。不死身にならなくては。
この一番かんじんなことさえわきまえていれば、勝負はもう半分きまったようなものです。なぜなら、そういう人は、ちょっとくらいパンチをくらったところで、落ち着いたもので、一番かんじんなあの二つの性質、つまり勇気と賢(かしこ)さを示すことができるからです。わたしが次に言うことを、みなさんは、よく覚えておいてください。
賢さをともなわない勇気は乱暴(らんぼう)であり、勇気をともなわない賢さなどはクソにもなりません!世界の歴史には、おろかな連中が勇気をもち、賢い人たちが臆病(おくびょう)だったような時代がいくらもあります。これは、正しいことではありませんでした。勇気のある人が賢く、賢い人たちが勇気をもったときにはじめて――いままではしばしばまちがって考えられてきましたが――人類の進歩というものが認められるようになるでしょう。



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