思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

「政治と金」ではなく「官僚主義」(=東大法学部支配)を変えることが政治の核心

2010-02-11 | 社会批評

わたしたち日本人の一人ひとりのエロース=主観性の豊かな開花を阻害してきたのは、明治の超保守主義の政治家・山県有朋らがつくった「近代天皇制」(東大法学部卒の「天皇の官吏」によるエリート支配)である、そう断じて間違いありません。

この「人間を幸福にしない日本というシステム」を変えるには、お上=官僚支配に終止符を打たなければなりませんが、それには、主権在民を原理とする民主主義革命が必要です。

官僚支配を終わらせるのは、わたしたち主権者の代行者=政治家にしかできません。しかし、120年間以上も続いてきた「官=公=国家」という非民主的な支配との闘いに勝利するのは、並大抵のことではありません。民主党政権も、官僚制度の改革から「宮内庁」と「検察庁」を例外とする方針を示さざるを得ないのを見ると、それがよく分かります。

官僚主義を支えるイデオロギーと強制権力(宮内庁と検察庁)を政治=主権者の意思の届かない所に置いてしまえば、改革とは名ばかりのものになり、主権在民の原理は生きて働くことがありません。このことを強く自覚している最大の政治家は、小沢一郎さんでしょう。

小沢さん以外で、検察の民主化と宮内庁の民主化を言明した有力政治家はほとんどいません。昔は、石橋湛山(第二代自民党総裁・第55代総理大臣)のような主権在民の原理を深く自覚した骨のある政治家はいましたが、今は、原理を踏まえブレない人は極めて少ないのです。わたしは、印象に過ぎませんが、鈴木宗男さん、辻元清美さん、自見庄三郎さん、山下栄一さんなどの方は、高く評価します。しかし、彼らも上記の問題=官僚主義の核心部分を明晰に自覚し、それを変える意思があるかどうかは、知りません。

いま問われている政治の課題は、「政治と金」(注) という次元をはるかに超えて、日本の民主化という大問題なのです。本質を見損なっては大変です。

「ディベート」ではなく、なにがほんとうなのか?をめぐる「真剣な議論や対話」を原理とする民主主義の実践を担保するために、政治の仕組みをどう変えるか、そのためには、国会改革、官僚機構改革のみならず、学校教育の根本的な改革も不可避です。旧体制を支える思想・暗黙の想念にまで下りなければ、何も変わらない・変えられないのが、日本の現実なのですから。

(注)「検察は日本の民主化の敵ーウォルフレン」(クリック)


武田康弘

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コメント


霧が晴れて来ました (this boy)
2010-02-11 14:48:07

何かよく分かりませんが今まで頭の中で
モヤモヤしていた霧が少しずつ晴れそうな
気がします。

この行き詰った日本の官僚支配社会からの脱却
を図るべく、民主党政権には大いに期待しています。

今回の検察VS小沢問題をひも解いて行くうちに
この官僚制が日本の癌であることが確信出来たような気がします。

これから少しずつかも知れませんがタケセンさんの実践されていることを拝見させて下さい。

今後ともご指導宜しくお願いします。
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感謝です。 (タケセン=武田康弘)
2010-02-11 21:06:45

this boyさん
よくお読み頂き、とても感謝です。お役に立てれば嬉しいです。今後ともよろしくお願いします。
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C-moon

ひとつひとつ賛同します。

政権交代選挙数ヶ月前、俄かに飛びだした、小沢氏をめぐる「政治と金」の問題に、日本が遭遇している変革の本質が隠されていると思います。
西松建設ルートでも小沢氏を起訴できず、逆に西松建設と大久保秘書の公判では、検察の捜査がいかに杜撰であったか、明らかにされた直後の石川議員の逮捕です。そして一年にも及ぶ、検察と大手メディアが一体となった小沢ネガティブキャンペーン……
多くの良識ある国民は、すでにネガティブキャンペーンで隠そうとしている本質が何であるのか、少しずつ気付いてきた感触が僕にはあります。
しかし、まだまだ大きく不足していると思います。
そして今回の捜査でもまた起訴ができす、まだ執念深く小沢氏の財布を疑い、いまだ終わろうとしないネガティブキャンペーン。
しかしこんなのを繰り返すほど、検察とマスコミの姿勢を疑問に思わなくてはいけません。本質は、隠そうとすればするほど浮かんでくるものですから。少し俯瞰的に見れば、すぐに分かるともいますが。

検察と大手メディアの品位のなさ。横暴さ。国民を見下している姿勢。
本質を隠し続けようとするためには手段を選ばない狡猾さ。
この辺りのことをもっと多くの人に感じてほしいですね。

そして本質とは、タケセンさんが言われている「日本の民主化」そのものだと思います。

そしてもういいかげん、ここにもっと多くの人が気付かないといけないと思います。圧倒的権力を持った独善的検察と一体化している官僚組織が、何を求めているのか。
このまま検察が暴走したら、どんな暗澹たる国家が現出するのか。
その時になってからではすでに遅く、再び民主化から大きく離れてしまうと思います。

凶暴化した検察と肥満化しのけぞりかえっている身体の固い霞が関。
宦官化した宮内庁……
仰るように、明確にここを改革すると変わらず言い続けてきた政治家は、小沢氏だけだと思います。
だからここまで狙われている。貶められている……
そこを多くの国民に感じ取ってほしいです。

これまでメディアによって印象付けられたイメージから、早く脱却してほしい。でなければ見えるものまで見えなくなり、結局損なわれるのは国民なのですから。





コメント (3)
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