思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

国会と行政の改革―「内閣法制局」という根本問題

2010-02-14 | 日記

三権分立(立法権、行政権、司法権の権力分立)は、言うまでもなく民主制の屋台骨です。

「国会は、国権の最高機関であり、国の唯一の立法機関である」という憲法41条の規定にある通り、法治国家における中心は国会です。

ところが、実際に法律をつくっているのは、国会ではなく、行政機関(霞が関)なのです。
行政機関(各役所)が自分たちに都合のよい法案をつくり、また改正案や廃止法案をつくって、それを「内閣法制局」が取りまとめ、そこから閣議を経て国会に出すのです。国会はそれを採決するだけで、議員立法は例外的、それが現実です。

ほんらいの民主主義による政治を行うには、行政機関が法律案をつくるのではなく、国会議員が法律案をつくる必要があります。そのために、国会(衆議院と参議院)に法制局があるはずなのですが、話題になるのは「内閣法制局」ばかりで、肝心の「衆議院法制局」と「参議院法制局」は影が薄いのが現実です。

こういう矛盾した国の仕組みを根本的に変えなければ、民主制による政治は現実化しません。法案づくりまでも行政(役所)に握られていたのでは、国会議員の力はつかず、国会は形骸化してしまいます。主権在民に基づく民主主義を実現するためには、選挙で選ばれた国会議員が立法を行う必要がありますが、そのためには、衆・参の法制局の大幅な改革=充実が急務です。


武田康弘
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