思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

法務省は、依然として検察主導―最高検の筋書き通りで民主主義とは無縁

2010-10-16 | 恋知(哲学)
以下は、毎日新聞

「大阪地検特捜部の証拠改ざん隠ぺい事件を受け、法務省は犯人隠避容疑で逮捕された前特捜部長、大坪弘道容疑者(57)らの拘置期限となる21日にも、前部長や上司らを一斉に処分する方針を固めた模様だ。全国規模の人事異動も検討しているとみられる。関係者によると、大坪前部長と元特捜部副部長、佐賀元明容疑者(49)は起訴前に懲戒免職処分となる。1月末に改ざん疑惑が発覚した当時の上司だった小林敬検事正と玉井英章前次席検事(現大阪高検次席検事)についても監督責任を問う形で戒告などの懲戒処分とするとみられる。」


とかげの尻尾切り。
組織全体のありよう(検察が独自に権力を行使できる反民主的な仕組みー天皇主義者の第35代首相でA級戦犯の平沼騏一郎がつくった)を、『日本国憲法』の民主主原理に則って改革するのではなく、
責任を個人の検事に負わせて、この事件を終わらせる。

この最高検の官僚たちの思惑を追認するに過ぎない法務省とは一体何なのか?
真面目に主権在民の民主主義を現実化する努力を放棄した政治とは、政治の自殺行為でしかない。
政治主導は看板だけ。もっと実力と覚悟のある政治家はいないのか。わたしは主権者として腹立たしい限り。

官僚主義を守る砦である検察庁の仕組みの抜本的改革なくして日本の民主化(主権在民)はない。


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法務省は検察トップの支配下にある。 武井繁明
2010年10月16日 11:38


現在、証拠改ざん事件と検察審査会の在り方という二つの法務関係の問題が取りざたされていますが、深くリンクしながら問題の根底にあるものが浮かび上がってきているように思います。
根底に見えるものは、タケセンさんがご指摘されているようにひとつには

>最高検の最高検の官僚たちの思惑を追認するに過ぎない法務省とは一体何なのか?

という問いの答えにあると思います。
各省庁の官僚のトップは、次官ですが、法務省だけは次官の序列が5番目か6番目という事実です。
天皇の認証官である検事総長、次長検事、検事長というポストは、それぞれ、検察庁、最高検、各高等検察庁のトップです。検察庁は法務省とは独立した行政機関のように思われますが、あくまで法務省の特別機関であり、人事は法務省人事と深く関係しており、法務省でも権限の多くを握っている刑事局の職員は、ほとんど検察官で、検察庁と一体化していると言っても過言ではないと思います。
こうした現実の仕組みが、最高検の官僚を追認するしかない今回の事例を生みだしていると思われます。
つまり法務省は、検察官によって牛耳られている。検察官のトップである検事総長以下、次長検事、検事長は、法務大臣と同じ権威とそれ以上の権力を有しているという現実……
法務大臣以下副大臣、政務3役は成すすべもなく検察の巨大な権力の掌にあるという現実。
千葉前法務大臣が、平議員として果敢に立ち向かえたにもかかわらず、法務大臣になったとたん手足をもぎ取られてしまったかのように何もできなくなってしまった例を見れば明らかです。千葉さんが政治家として無能であったのではなく、法務大臣として無能化させられてしまった。
このような評価が妥当だと思います。
その現実は法務省に民主主義国家としての仕組みは存在しないということになると思います。
選挙で選ばれた政治家よりも、検察官僚が権限を握っているのは、どう考えても民主主義国家の行政制度と思えません。

そこで検察官僚と闘う政治家ですが、目下のところ検察とマスコミと世論というマスコミが作りだした化け物に手も足も出ない状況に追い込まれています。
戦後の占領下でGHQが、時の政府に求めた大陪審制度と検事の公選制と引き換えに法務官僚が作りだしたブラックボックス的な検察審査会制度が致命傷を与えようとしています。この制度をさらに強化した小泉政権の時に生まれた改正検察審査会法による、拘束力の効果によって。
この法案は裁判員制度と同時に審議され、圧倒的に審議が裁判員制度に費やされ、まともに論議されなかったとある政治が認めていますが、郷原さんや桜井敬子学習院大学教授(行政法)が指摘しているように、法の体をなしていないばかりか、運営と実際の審査が、まったく開示されてなく、議決の内容から杜撰さしか浮かび上がってこない、「市民の視線」「市民の感覚」「市民の正義」という理念から、遠いところにあることが、今回の議決で明らかになっています。
さらにお二人は、検察審査会という行政機関は違憲である。とも指摘しています。

ここにも、検察の巨大な権力が及んでいると言えるともいます。
石川議員を取り調べた特捜検事が石川議員に取り調べの中でこう言ったそうです。
「仮に不起訴になっても検察審査会で覆してやる」

検察審査会の問題点についてはいずれ、自分の日記に書こうと思います。

武井繁明
コメント (1)
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