思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

検察の特捜部とは、憲法違反の存在なのです。

2010-10-22 | 社会思想
『日本国憲法』は、近代民主主義思想に基づき、権力分立を宣言しています。

特定の人や組織が複数の権力を持つことを禁じているのです。

東京地検特捜部に代表される【特捜】という組織は、捜査と逮捕と起訴という強権を同じ一つの組織が持っていて、第三者の視点・立場で権力行使を規制することができません。

したがって、特捜という組織は、『日本国憲法』の依拠する近代民主主義の原理に反し、権力行使の正当性を持ちません。
【特捜】は解体しなければならないのです。それ以外の選択肢はありません。これは原理です。

まずは、取り調べの全面可視化と、捜査権は警察、起訴権は検察、と権力を分けることが必要であり、次に、警察オンブズマンと検察オンブズマンの制度を創設することが必要です。また、裁判所は、検察の下請け機関としての現状を改めなくては、日本は独裁国家(官僚独裁)と変わりません。民主化が急がれます。

わが国を「天皇の官吏としての官僚」という旧憲法の思想から決別させ、主権者は国民・市民であるというほんらいの民主主義の国にしていく必要があります。


武田康弘

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すかぶら 2010年10月22日 12:20

よく考えなくとも
そうですね。
盲点でした。

C-moon 2010年10月22日 20:03

捜査・逮捕権と公訴権を持つ行政組織、準司法組織は、世界でも稀有な存在でしょうね。
検事は、警察官のように身分証を有することもなく、「秋霜烈日章」をスーツの襟に付け、自分で発行できる捜査令状、逮捕状を持って強制捜査でも何でもできてしまうわけですから、国民の人権に対しこれほど危険性を有する公権力はありません。

世界から見れば、「何て野蛮な国なんだろう!」

そんな評価が当たり前のように聞こえてきそうです。
こんな非民主主義的な組織を許諾している人たちは、中国や北朝鮮を非難できませんね。

根源は、山県有朋にあるにせよ、占領時代にいったんは検察をも解体しようとしたGHQが、隠匿物資捜査摘発という見返りに作った、米軍の手先である特捜部が、ここまで化け物化してしまったのは、自浄力の源泉である有権者にも責任があると思います。
それにしてもGHQは、とんでもないものを作ってしまいましたね。

さらに大陪審制度と検事の公選というGHQの要求を退け、代替的に作った検察審議会もこれまた大化けしてしまい、そうした代償をようやく世間が感じるようになったことは、小沢さんの大きな功績のひとつになるかもしれません。
三井環さんにしても、鈴木宗男さん、佐藤優さん、堀江貴文さんにしても孤軍奮闘し、検察、特捜の実態を世間に知らしめてきましたが、小沢さんへの政治的捜査がなかったら、ここまで世間が注目しなかったかもしれないし、小沢さんが検察改革、脱官僚、政治主導の旗手だったからこそ行われた国策捜査ですから。
そして決定的だった村木公判。さらに、小沢さんの代表選出馬、行政訴訟が(却下でしたが……)問題点を少しずつ浮き彫りにさせていると思います。

検察資格審査会にも、川内博史、森ゆう子、辻恵議員といった検察の在り方に強い疑問を持つ議員が加わり、取り調べ可視化を考える議連もこうした議員が中心になり活動を始めました。

取り調べの可視化、特捜の解体、検察を監視、指導権を持つ第三者組織(委員会)の創設、そして、捜査・逮捕権と公訴権の分離の迅速な実現を願っています。

今、最後の部分を書いてあらためて気付いたのですが、少しも特殊なことではなく、ごく当たり前のことで、願いであること自体がおかしなことでした。
当たり前のことができない政権も非民主主義的と言えるかもしれません。

武井繁明
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タケセン 2010年10月22日 22:02

詳細な解説、とても感謝です。


【原理の明晰化】がなければ、すべて砂上の楼閣です。

われわれの社会・国家は、自然発生的にできた自然物ではなく、近代民主主義という思想によって意識的につくられた機構であるのですから、 それが、どのような思想の原理に基づいてつくられているのかを知らなければ、何を語ってもすべて無価値です。

日本の教育は、原理や本質についての思考(意味論としての勉強・知)とは異なり、暗記知とパターン知の獲得と単なる事実学の積み上げなので、核心が掴めず、内容の乏しい形式知だけが跋扈します。

みなさんと共に「新しい世界」を拓きたいと思います。





コメント (1)
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