思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

ルールを守らない企業=AOKIの経営者モラルを問う・東京新聞

2010-10-19 | 恋知(哲学)

今朝の東京新聞の「本音のコラム」に、ルポライターの鎌田慧(かまた・さとし)さんが、AOKIグループ(洋服販売会社)の経営者モラルについて書いています。

AOKI経営者の不当労働行為を「AOKIグループユニオン」が訴えている問題です。解雇や配転で脅し、4カ月間に1380人=8割の組合員が脱退させられたとのことです。

憲法28条で保障されている交渉権を奪うAOKIの経営者の行為は、明らかな憲法違反ですが、企業の公共的=社会的責任(CSR: Corporate Social Responsibility)が問われている中で、その前提であるはずの、企業内における人権を遵守しない企業は、今後存続できないのではないでしょうか。

わたしたち消費者もまた、企業との利害関係者として、公共的=社会的責任がありますので、このような悪質な経営者の企業に対しては、積極的に「ノー」を突き付ける必要があるはずです。

これは、ひとりAOKIの問題ではなく、派遣労働の極端な差別を続けるキャノンなど、【経営者のモラルが欠如した企業】に対しては、消費者がきちんとした対応、毅然とした態度をとることが必要です。

健全な社会=民主的な社会を生むのは、わたしたち消費者の具体的行動なのだと思います。企業や官や組織の不正に対しては、はっきりと批判し行為する良心をもつ人間=「公共的良識人」が増えないと、よい社会をつくることはできないでしょう。

それにしても、エルンスト・アッベという偉大な先達をもち、高邁な精神に貫かれたドイツのカールツァイス社(世界最高の光学機器メーカー)の経営理念・経営手法・企業体質には畏敬の念を持たざるを得ません。そのツァイス社のつくる製品を購入し、愛用することは、消費者のよろこびとなります。人間の心を豊かにする企業活動・市民活動こそが人間と社会を富ませるのです。

わたしの『白樺教育館』も、34年間、そのような精神によって運営してきました。以前のブログに書きましたが、「責任」という意識こそが人間を人間にするのです。


武田康弘


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