昨日、午後2時より4時まで、東大農学部において、元・都立三鷹高校の校長、土肥信雄さんと、評論家で『週刊金曜日』の編集委員の佐高信さんの対談がありました。
土肥信雄さんの本を出すための佐高信さんとの対談を公開で行ったです。土肥さんは、教職員の自由な議論を禁止する通達を出した東京都教育委員会と裁判闘争をしています。
軽口や冗談が飛び交う対談はとても面白く、有意義な会でした。会場はしばしば笑い包まれましたが、シリアスな話題もエロースに変えるのは、生徒と共に生きた土肥さんの人柄と、場馴れした佐高さんの話術の力です。
わたしは、白樺同人と高校&大学生の6名で参加しました。東大、とくに農学部、それと地震研究所と三四郎池は、わたしの幼いころからの遊び場でしたので、懐かしく楽しく過ごせました。わたしの中学は、農学部の向かいの文京第六中学校(最近になって知りましたが小沢一郎さんも同窓生)ですので、白樺のみなさんに教えました。最後は、根津神社近くの甘味処でゆっくりお茶タイム!
なお、対談の中身ですが、佐高さんの話しの内容で、ひとつ間違いがありますので、記します。
思想的なことですが、佐高さんは、現実の社会は『日本国憲法』通りではないと繰り返し述べ、学校の教師は、生徒に幻想を与えることがないようにと諌める発言をしました。これは、憲法の理想と現実は異なるという話ですが、憲法とは、元来、理想を記したものではないのです。
『日本憲法』は、近代民主主義という思想の原理に則り、それを理念的具体として叙述したものです。主権者の意思の代行者である政治家と公務員は、どのような【原理】に基づいて国家を運営していかなければならないか、を記したもの(主権者が為政者を縛る政治原理)であり、【理想】ではありません。
コメント欄のつよしさんにもお答えした通り、【理想】と【原理】とはまったく異なる概念ですが、しばしば混同されがちです。この混同は、極めて危険で、ひどい間違いを導いてしまいますので、要注意!です。
武田康弘