思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

ルドルフ・ケンペーー人間味あふれる天才指揮者のつくる音楽をぜひ。

2012-09-16 | 趣味

ケンペ(1910-1976・ドレスデン生まれのドイツ人)のつくる音楽は、
清く、美しく、力強く、豊かです。
最良の意味で男性的。
くせ、歪み、臭みがなく、健康美に溢れます。
音は伸びやかで輝かしい。

正確で緻密で丁寧ですが、神経質さは微塵もありません。
抑圧や強権性は皆無で、人間的な優しさに満ちています。

病的な部分はどこにもなく、健全で自然です。

疎外感の克服とか不全感の解消という面がなく、これ見よがしなパフォーマンスも皆無で、実に気持ちのよい音で音楽が淀みなく流れます。複雑な楽曲も見通しよく音化し、苦渋や停滞が全くありません。生理的に快適で、いつまでも聴いていたくなります。

作曲家の意図を歪めずに素直に表します。
これほど無理なく幸福感と愉悦感に満ちた音楽つくった人をわたしは他に知りません。

評論家があまり取り上げないのは、完璧で欠点がないためでしょう。
ケンペの指揮で音楽を聴く習慣を持てば、人生に大きなプラスになること間違いなしです。バランスのよい健康な精神をつくります。臆病、卑屈さは消え、堂々と人生を歩む人になるでしょう。

音楽的には天才でありながら類まれな暖かい人間性の持ち主であったケンペは、エリザベス女王にもタクシードライバーにもまったく態度を変えないナイスガイで、オーケストラプレヤーにも聴衆にも最高に愛された人でしたが、1976年にわずか66歳でこの世を去りました。

出ているCDは名演ばかりですが、まず、11枚組のボックスセット(5200円)を求められることをお勧めします。録音も大変に優秀で美しい音です。

武田康弘

 

ルドルフ・ケンペ EMIレコーディングス(11CD)(期間限定盤)

ドイツ出身のケンペ[1910-1976]は抜群のオーケストラ・コントロールと温かく細心の解釈でトップ指揮者としての地位を確立しました。彼の主要なレパートリーを概観できる11CD。
クラムシェル・ボックス、32ページ・ブックレット、各CD紙製ケース入り。(EMI)

【収録情報】
CD1
ベートーヴェン:
1. 交響曲第1番ハ長調 Op.21
2. 交響曲第3番変ホ長調 Op.55『英雄』
 ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団
 1972年6月23-26日、ビュルガーブロイ、ミュンヘン録音

CD2
1. 交響曲第5番ハ短調 Op.67
2. 交響曲第6番ヘ長調 Op.68『田園』
 ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団
 1971年12月20-23日(第5番)、1972年6月23-26日(第6番)、ビュルガーブロイ、ミュンヘン録音

CD3
ブラームス:
1. 交響曲第3番ヘ長調 Op.90
 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
 1960年1月19-23日、グリューネヴァルト教会、ベルリン録音

2. 交響曲第4番ホ短調 Op.98
 ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
 1960年2月14,22,23日、アビー・ロード第1スタジオ、ロンドン録音

CD4
1. メンデルスゾーン:劇付随音楽『真夏の夜の夢』より
 序曲 Op.21/夜想曲 Op.61-7/スケルツォ Op.61-1/結婚行進曲 Op.61-9
 ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
 1961年1月30日、2月2,3日、アビー・ロード第1スタジオ、ロンドン録音

2. リムスキー=コルサコフ:交響組曲『シェエラザード』
 ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
 1967年2月16-17日、アビー・ロード第1スタジオ、ロンドン録音

CD5
ドヴォルザーク:
1. 交響曲第9番ホ短調 Op.95『新世界より』
 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
 1957年9月2日、グリューネヴァルト教会、ベルリン録音

2. スケルツォ・カプリチオーソ
 ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
 1961年4月26日、1月27日、アビー・ロード第1スタジオ、ロンドン録音

3. ヴァインベルガー:バグパイプ吹きシュワンダ
 ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
 1961年1月、アビー・ロード第1スタジオ、ロンドン録音

4. スメタナ:『売られた花嫁』組曲(4曲)
 ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
 1961年1月、2月、4月、アビー・ロード第1スタジオ、ロンドン録音

CD6
リヒャルト・シュトラウス:
1. 交響詩『ドン・キホーテ』 Op.35
 ポール・トルトゥリエ(チェロ)
 ジュスト・カッポーネ(ヴィオラ)、ジークフリート・ボリース(ヴァイオリン)
 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
 1958年6月、グリューネヴァルト教会、ベルリン録音

2. 交響詩『死と変容』
3. 『サロメ』~7枚のヴェールの踊り
 シュターツカペレ・ドレスデン
 1970年6月13-24日、ルカ教会、ドレスデン録音

CD7
1. 交響詩『ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら』 Op.28
2. 交響詩『ドン・ファン』 Op.20
3. 交響詩『英雄の生涯』 Op.40
 ペーター・ミリング(ヴァイオリン)
 シュターツカペレ・ドレスデン
 1970年6月(1,2)、1972年3月(3)、ルカ教会、ドレスデン録音

CD8
歌劇『ナクソス島のアリアドネ』より
1. Kindeskopf! Merkt auf
2. An Ihre Platz
 シルヴィア・ゲスティ(1)
 テレサ・ツィリス=ガラ(1-2)
 グンドゥラ・ヤノヴィツ(ソプラノ)
 テオ・アダム(バス)
 シュターツカペレ・ドレスデン
 1968年6月27日ー7月5日、ルカ教会、ドレスデン録音

ワーグナー:
歌劇『ローエングリン』より
3. 第1幕への前奏曲
4. 第3幕への前奏曲
5. 真心こめて先導いたします(婚礼の合唱)
6. ハインリヒ国王陛下万歳
7. Was bringen die?
8. Mein Herr und Konig
9. はるかな国に
 ジェス・トーマス(テナー)(8-9)
 ゴットロープ・フリック(バス)(6-9)
 ウィーン国立歌劇場合唱団
 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
 1962年11月23-30日、12月1-5日、1963年4月1-3日、アン・デア・ウィーン劇場

楽劇『ニュルンベルクのマイスタージンガー』より
10. 聖なる朝の夢解きの曲
11. Sankt Crispin. Lobet ihn!
12. Ihr Tanzt? Was werden die Meister sagen?
13. 朝はばら色に輝き(優勝の歌)
14. マイスターをあなどらないでください
 エリーザベト・グリュンマー(ソプラノ)(10,13-14)
 マルガ・ヘフゲン(メゾ・ソプラノ)(10,14)
 ルドルフ・ショック(テナー)(10,13-14)
 ゲルハルト・ウンガー(テナー)(10,12,14)
 フェルディナント・フランツ(バス・バリトン)(10、13-14)
 ゴットロープ・フリック(バス)(13-14)
 ベルリン聖ヘドヴィヒ教会合唱団
 ベルリン・ドイツ・オペラ合唱団
 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
 1956年4月、ヴィンターガルテン、ベルリン録音

CD9
1. 『トリスタンとイゾルデ』~前奏曲と愛の死
2. 『パルジファル』~前奏曲
3. 『パルジファル』~聖金曜日の音楽
 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
 1958年2月10-13,17日、ムジークフェラインザール、ウィーン録音

4. フンパーディンク:『ヘンゼルとグレーテル』組曲(ケンペ編)(5曲)
 ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
 1961年1月、アビー・ロード第1スタジオ、ロンドン録音

CD10
1. マスカーニ:『友人フリッツ』第3幕への間奏曲
2. ポンキエッリ:『ジョコンダ』~時の踊り(第3幕)
3. フランツ・シュミット:『ノートル・ダム』間奏曲
4. グノー:『ファウスト』ワルツ(第2幕)
5. ヨーゼフ・バイヤー:『人形の精』バレエ音楽
6. オッフェンバック:『地獄のオルフェ』序曲
7. ゴトヴァッツ:『あの世からきた悪漢』より
8. シューベルト:『ロザムンデ』序曲 D644
9. シューベルト:『ロザムンデ』間奏曲第3番変ロ長調
10. シューベルト:『ロザムンデ』バレエ音楽第2番ト長調
11. グルック:『オルフェオとエウリディーチェ』~聖霊の踊り(モットル編)
 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
 1961年12月11-17日、ムジークフェラインザール、ウィーン録音

CD11
1. ヨハン・シュトラウス2世:『こうもり』-序曲
2. ヨハン・シュトラウス2世:ワルツ『ウィーンの森の物語』Op.325
3. ヨハン・シュトラウス2世:ポルカ『浮気心』Op.319
4. ヨーゼフ・シュトラウス:ワルツ『ディナミーデン』Op.173
5. ヨハン・シュトラウス2世:ワルツ『千夜一夜物語』Op.346
6. ヨハン・シュトラウス2世:フランス風ポルカ『クラップフェンの森にて』Op.336
7. ヨハン・シュトラウス2世:皇帝円舞曲 Op.437
8. ヨーゼフ・シュトラウス:ワルツ『天体の音楽』Op.235
9. ヨハン・シュトラウス:ラデツキー行進曲 Op.228
10. レハール:ワルツ『金と銀』
 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
 1958年2月12,19,20,22日(1,8-10)、1960年12月21-22日(2-7)、ムジークフェラインザール、ウィーン録音

 以上、ルドルフ・ケンペ(指揮)

 

コメント (2)
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