★さちゅりこん――渡邊史郎と縦塗横抹

世界が矛盾的自己同一的形成として、現在において過去と未来とが一となるという時、我々は反省的である。(西田幾多郎)

インターネットに於ける直観と反省

2010-08-28 17:21:23 | 思想
自分のことを書くと、それが遠い過去であろうと近い過去であろうと、だいたいいい子になりたがってしまうのではなかろうか。文章は、基本的に、率直なものではありえない、というのがわたしの考えである。

ブログにしても、掲示板にしても、いまおおはやりのツイッターにしてもそうだけれども、自分をよく見せたがってしまうものである。別に、正直に告白するのがいいといっているのではない。原則、正直な告白など無理である以上、率直な自分という仮面をかぶり続けるべきではないし、かぶり続けていると文章の虚構性を忘れてしまうのではないかと思うだけである。

もう三ヶ月もここに書き続けてきたけれども、やはり上記のことを身にしみて思う次第。

要するに、インターネットの世界は、ふたたび手あかにまみれた「私小説」の問題を復活させてしまった、ということであろうか。私小説の問題ではすまないだろうけれども。