★さちゅりこん――渡邊史郎と縦塗横抹

世界が矛盾的自己同一的形成として、現在において過去と未来とが一となるという時、我々は反省的である。(西田幾多郎)

昼間でも流れ星らしきもの

2010-12-09 21:59:04 | 文学


 たくさんあったクリスマスのロウソクはみんな、ぐんぐん空にのぼっていって、夜空にちりばめた星たちと見分けがつかなくなってしまいました。そのとき少女は一すじの流れ星を見つけました。すぅっと黄色い線をえがいています。「だれかが死ぬんだ……」と、少女は思いました。

――アンデルセン「マッチ売りの少女」(大久保ゆう訳)

PISA型怪獣出現

2010-12-09 16:22:58 | 大学
PISA型読解力調査、日本鬼子第8位に上昇!しかし一位は「上海」!

……こういう結果に一喜一憂しているのは一部のおっちょこちょいだけではなかろうかと思うが、「上海」という国はどこであろう。もうこうなったら、日本もつくばの一部の中学の連中とか灘の連中を、ある地区に隔離して独立国にしてしまえばよろしいのではないか。これで一位間違いなしだ。――しかし結果はわからんな、彼らの読解力が高いどうか私は確かめたことないからなっ。私の友人のあるエリート高校出身者が、日本の現状を読解して「日本人全員に朝7時起きを強制すべき。そうすれば偏差値も上がる」ということを言っていた。全員の偏差値が上がるらしいぞ。もっと簡潔に国民皆兵といえばよろしいのでは。

ところで……。PISAっておいしいの?

……それはともかく、この前まで一位だった「フィンランド」に学べといっていた教育学者は当然今回は「上海」に学べというべきなのである。「韓国」も遙かに日本より上だからな、当然学ぶのであろう。アジアの勝利だとか言っている人もいるんだが(たぶん)、まだ日本より上位の「フィンランド」はアジアなのであろうか?「北朝鮮」もアジアなんだが?

PISAがなんだか美味そうなので、つられて我々は……、ウィットフォーゲルではないが……、水の代わりにPISA取り合戦をやってるのかもしれない。

確かにOECDの陰謀に対して、途上国とか周辺国が「こんなに良質な労働者とか消費者がいるんだよ」と主張しても、あちらのエリートが、しめしめと思うだけであるような気がするのであるが、どうであろうか。

われわれの世界は、広い意味で「外貨」を獲得するためなら、戦争でもPISAでもなんでもつかって価値の操作をする。われわれはつねにそれだけに巻き込まれている。