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以前、「花と奥たん」というのを読んだことがあった。原発事故を予見したような作品であったが、一応毎回主人公が料理をつくる漫画であった。上の「リトルフォレスト」も、(「1」しか読んでないから分からんが)たぶん家族や共同体再生みたいな話であろう……が、毎回主人公が料理つくる漫画であった。なぜ、こんなに食べ物漫画が流行っているのか分からない。大庭葉藏の「食欲の意味が分からない」とか、高峰秀子の「人間の食べる姿が醜い」などの発言がわたくしの頭をぐるぐるする。確かに、食べる人間というのはあまり好きではない気がする。
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確か、この映画にはものを食べるシーンがほとんどない。娼婦の主人公も、それを救い出そうとする歴史家の男も、しゃべったり踊ったりしているだけである。二人の対決より、重要な問題がそこにあるような気がするのである……