
「裸のジャングル」という邦題だが、十九世紀に調子こいて象狩りをしていた白人を、現地の方々が、逆に狩る話。挿入される野生動物同士の闘いの映像が素晴らしく自然な演技なので(理由は、演技ではないからだ)、現地の方に追いまくられる白人のおじさんの演技も自然にみえてくる。この話は、――確か、町山智浩氏が言っていたが、アメリカの先住民族と白人の間にあった実話を元にしているらしい。それを時間と場所を移して表現しているところが、植民地主義のあれそのままのあれなのであるが……。殺人は自然的必然的だが、文化は必ず共有できるという、あれもあれだし……
まあそれはともかく、裸足で、舗装されていない道なき道を歩いたり走ってゆく感触を思い出させる映画である。66年の映画だから、裸足の感触を知っていた人はまだ多かったろう。
自然崇拝とコロニアリズムが切り離せないのだろう……
【追記】……と思ったのだが、どうもアメリカというのは、内部に未開のユートピアを抱えているところがあるのではなかろうか。フロンティアと言えば聞こえはいいが、それはいわば「野生の王国」である。どうも「ツインピークス」みたいなオカルト話がなぜアメリカから出てくるのか不思議なのだが――、ともかく、トランプの登場はいろいろと文化的な面から考察が必要だ。