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河西秀哉氏のうたごえ運動についての論文を読んでいたら、昭和二十四年の『うたごえ』誌に木曽節の譜面と踊り方が載っていて、わたくしが教えられてきた木曽踊りと違っているので驚いた。「メーデー八木節」もおもしろそうだが、このダンサブルな木曽節もおもしろそうだ。おもしろいだけだが……
この前NHKで「赤報隊事件」のドラマとドキュメンタリーをやっていた。わたくしはあまり面白くなかった。これではだめなのである。ただ暴力に反対してもだめだ。言論のあり方の追究にかんして右側の方々のサボり方は目に余る。左の人たちに国民性や宗教の研究をやらせていたではないか。もうちょっとしっかりしなくてはいけなかったと思う。朝日のような――ほかの新聞も全く似たり寄ったりだが、――ジャーナリズムの方も途中でなにか小学生の学級新聞的なところに陥っていて、あれなわけだ。共産党に取材能力で時々負けているではないか。赤報隊が名もなき一般人であるという鈴木邦男の説はわかるような気がするのであるが、おそらくそれは赤報隊的というより、もっと曖昧な何かである。そこを追究しないと、我々は自分で自由をなくしているようなものである。――それに、朝日新聞内につくられたという特捜班は具体的にどこら辺まで事態を究明したのか、途中でやめちゃったのか、よくわかんなかったね。後半のドキュメンタリーで、警察がなにか上の方から宗教団体がらみで捜査にストップがかかったとか言ったけれど、どこからの圧力だ?知っている人は、ちゃんと誰かに本当のことを言ってからこの世とおさらばしてほしいものだ……
とか言っても、本当は焦ることはないのである。事態が本当に変化するのには、平気で100年ぐらいかかる。