★さちゅりこん――渡邊史郎と縦塗横抹

世界が矛盾的自己同一的形成として、現在において過去と未来とが一となるという時、我々は反省的である。(西田幾多郎)

灼熱の朝飯

2024-07-23 23:10:35 | 文学


「実は――まだ朝飯も食べませんような次第で。」
 と、その男は附加して言った。
 この「朝飯も食べません」が自分の心を動かした。顔をあげて拝むような目付をしたその男の有様は、と見ると、体躯の割に頭の大きな、下顎の円く長い、何となく人の好さそうな人物。日に焼けて、茶色になって、汗のすこし流れた其痛々敷い額の上には、たしかに落魄という烙印が押しあててあった。


――島崎藤村「朝飯」


朝から33度ぐらいだったが、朝顔の真ん中にしゃぶりついている奴が居た。


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