★さちゅりこん――渡邊史郎と縦塗横抹

世界が矛盾的自己同一的形成として、現在において過去と未来とが一となるという時、我々は反省的である。(西田幾多郎)

大将軍神社跡地を訪ねる(香川の神社168)

2018-03-10 20:57:03 | 神社仏閣


大将軍神社の跡地が飯田町にある。大将軍とは、陰陽道で方位の吉凶を司る八将神の一人である。案内板にも書いてあったが、田村神社の天門(西北)の守護神なのであろう。疫病を防ぐのである。鬼さんたちを追い払う道饗祭は、地方でも京都のまねして多く行われていたらしい。

そういえば、松並にある鬼門神社は、田村神社の北東にあるのかと思ったが、ほとんど北であった。この神社跡の真東にはあるのであるが……。



しかし、祭神は事代主命ということになっていた。

友常池のお地蔵さんを訪ねる(香川の地蔵33)

2018-03-10 20:26:58 | 神社仏閣




友常池とは、寛文年間につくられた池である。唐戸五右衛門友常氏は、飯田町の灌漑や代官道などをつくった人だと言われる。唐戸さん一族がどのような人たちだったのか知らないが、全国津々浦々に中国や朝鮮との関係をもってつくられたものがたくさんあるに違いない。それも近世にたくさんあるのであろう。



守友事件はついに書き換え指示を認める方向になるらしい。いずれにせよ、人間の世界は公文書みたいなもんが証拠として積みかさなってできているのではない。歴史そのものはテキストによっては変わらないんですわ……。ある意味、この事件は軽薄な歴史相対主義(エビデンス笑主義)みたいなもんの終わりかもしれませんね……。

しかし、歴史はそんな甘くはない。むしろ、終わりかけて、もっと酷くなるのが歴史である。

脚本

2018-03-09 23:18:54 | 文学


ある小説の脚本について考える。

・佐川なんとかさんが辞めさせられるというので、大騒ぎであったが、わたくしは文学に漬かりすぎている廃人なので、「佐川君からの手紙」しか思い出せない。わたくしの感性を疑う。

・佐川なんとかさんが辞めさせられるというので、どこの役所かと思ったら、国税局らしいのである。わたくしは文学に漬かり過ぎている廃人なので、取税人といば、イエスがものすごくガンバらなければ天国にいけないような犯罪人としか思えない。麻生君は「適材適所」で佐川君を国税局長官にしたらしいのであるが、あまりにもひどいのではないか。

・根が松本清張のそれのような通俗小説に侵されているわたくしは、下っ端役人は上司の罪をかぶって殺されるものだと思い込んでいるのであるが、100分で名著で原武史さんが「現代でもよくあるよね、こういうこと」と力説していたのにはびっくりした。原氏も、鉄道オタクだけやってりゃいいものを、小説の読みすぎである。

・安倍君や麻生君がどっかから狙われているのではないかと思ってしまうわたくしの昭和マンガ脳が心配だ。

・昨日のWBSで、「上手なしかられ方を学ぼう」みたいな就職講座をやっている大学が紹介されていたが、正直な感想は**イであった。こんな講座にスーツで来ている馬鹿もあれだが、講師の調子こいた感じが最悪であった。森友事件もあれだが、こういう風景の方がはやく爆発してもらいたい。

・トランプとロケットエリンギくんは気が合いそうなのでまずいぞ。米韓北中同盟組まれて、じゃぽんは又孤立だよっ。あそうだ、昔のよしみでドイツとイタリアに頼もう。あっ、ドイツ語イタリア語をヤッテイルやつがほとんどいねえわ(笑)

・だいたいグローバル人材は、ほとんど国家公務員になって適材適所に配置されてしまう。

・佐川君がやられると思っていたわたくしは甘かった。世の中そんなに甘くないのである。

・「やっちゃいな、やっちゃいな、やりたくなったらやっちゃいな」とか歌っていたピンクレディーは、案の定、芸能界から干されてしまった。反権力が過ぎたのである。「じゃまをしないでえええええ ペッパー警部っ わたしたち これから いいところおろー」って、公園で何をしようとしてたのか、誰かを狙撃しようとしてたのか知らないが……。最後は自分で「ぺっぱー警部(だ)よっ」と宣言する始末である。革命が、警察や軍隊を乗っ取ることに基本があるのを阿久悠はよくわかっている。


Barbier Siberie

2018-03-08 22:32:01 | 映画


わたくしの青春時代の思い出映画の一つは、「シベリヤの理髪師」である。

この映画は一種のオペラで、というか――、音楽が主人公の心を決めている。この音楽はBGMではないのである。だから、アメリカ人の女性とロシアの士官候補生との道ならぬ愛の間に生まれた息子が、モーツアルトは偉大な音楽家だと軍隊内で頑固に主張しつづけるわけである。この映画をみて、恋愛心理が大げさで刹那的だと思う人は、モーツアルトやチャイコフスキーが大げさで刹那的と言うに等しい。

で、突然思い出したのだが、ピンクレディーの映画で「ピンクレディーの活動大写真」というのがある。ピンクレディーの曲にからめて人情話、SF、西部劇をそれぞれ合体させたメタフィクションである。これは非常に滑稽な作りで愉快な映画なのだが、「シベリアの理髪師」みたく、音楽が心理に化けていくことがない。だから、メタフィクションが容易なのである。これは、この映画がコメディだからという理由で看過できるものではない。もっと我々の文化にとって本質的な問題のように思われる。そもそも阿久悠の歌詞からしてそんな問題に絡んでいる。

エジプト映画

2018-03-06 22:59:59 | 映画


この前テレビで「キング・オブ・エジプト」という、題名だけで馬鹿映画と分かる映画がやっていたので、マッハ1の速度で録画ボタンを押していた。

で、ご飯を食べながら視てみたが、わたくしの御期待に見事に答えたお馬鹿映画であった。

1、エジプト人がほとんど白人(はあっ?)
2、王様は神様一族なので、人間よりでかいし、動物に変身できる。(えっ?)
3、太陽神は空を回って闇をやっつけているらしい(地動説完全否定)
4、エジプトがほぼローマ、いやスターウォーズの都市に近い
5、でかいマムシみたいなのがセクシーな姉ちゃんに操られて暴れ回る(最高)
6、貧乏人には来世はない(金持ちにもねーよ)
7、主人公はスリ野郎
8、最後、愛する人を探すために王様が旅に出てしまい、そのスリ野郎がエジプトを任される
9、美人女優がどうみてもグラマーかどうかで起用されている模様
10、なんだこの吹き替えはっ
11、テーマは、「現世」でいいことしよう(←いいこと言ったっ)

というわけで、頭をかなり悪くしてみると最高な映画である。しかし、「ドラゴンボール」なんか、主人公の偏差値は20ぐらいだから、これよりもひどいのであってね。だいたい、ほかのエジプトのなんとか、とかいろいろある映画もすべてお馬鹿映画ではないか。

それにしても、小学生が道徳を学ぶには、最近のスターウォーズみたいにPC的に配慮をももちつつ半端にリアルな怨念をテーマにする、みたいなことでは十分ではない。ちゃんと清く正しく美しく、とせにゃならん。その点、この映画はまあまあではないか。

最近、ジャッキーチェーンとかシュワルツネガーとかの小学生に正義と元気を教えていた映画が無くなったな。ウジウジしたマザコンみたいなものばっかり教えやがって、糞役にたたんわ。

I've seen the Angel of Death.

2018-03-04 17:11:27 | 映画


「許されざる者」は言わずと知れた老イーストウッドの傑作群の始まりの映画である。むかし、ダーティハリーをみて、正義はこえええなあ、と思ったわたくでしあったが、演じてる側が一番それを感じていたのであった。

The William Munny Killings と言う原題だが賞金稼ぎの殺人映画である。

イギリス女王万歳のボブも多くを殺してきている。それをリンチする保安官も悪人は吊せばいい(実際かなりヤッテイル模様)と思っているが、売春婦への暴力は案外許してしまうサイコパス、主役のマニーは、列車ごと女子供を殺したこともあるアウトロー。娼婦の顔を切り刻んでしまうような荒くれ者たちはむろんあれである。

つまり全員許されざる者であるのだが、イーストウッド演じるマニーが、最後、保安官たちだけでなく売春宿の主人までも撃ち殺して、「おかしなことするやつは一族郎党皆ぶち殺すぜ」とか言って(そんな感じだったと思う)雨の中去っていけるのはなぜであろうか。殺人者に正義は執行できるのか?

まさにアメリカ的なテーマである。保安官が建てている自宅は雨漏りでひどい有様だが、これはたぶんアメリカ国家のメタファーである。保安官がボブをリンチするのは、アメリカをイギリスの側からけなすからである。

で、マニーの方は、保安官が体現するアメリカ的な暴力行使の内面的な核みたいなものである。

マニーは足をあらって農民になり――堅気になっていた。豚をこどもと追いかけ回していたわけである。しかし、もう一回賞金稼ぎをするかと友達を誘って旅に出てしまう。しかし、もう彼は元には戻らなくなっていたと思う。現場に着いたら、悪寒と悪夢でひっくり返っている。酒も飲めない。酒を飲むまえに頭がどうかなってしまいそうだからだ。 I've seen the Angel of Death. と彼は言う。もう彼はあちら側に逝ってしまいそうだったのだ。で、保安官にぶん殴られてのされてしまう彼である。

しかし、その彼が顔を切られた売春婦に看病されて復活したときには、いきなり若返ったようになっていた。そして友人が殺されて完全復活を遂げてしまう。で、最終場面に。

つまりこういうことである。一度娑婆にもどると殺人者に戻ることは不可能である。秩序を維持にするにせよ、自分の生活のためにせよ、暴力を振るうことをやめられないのは、やめたらそこに戻れなくなるからだ。保安官やボブは、そういう人たちである。まあ売春も同じようなものである。しかしマニーが違うのは、そこに本当に戻れてしまったことである。なぜかというと、 I've seen the Angel of Death.というほど病んでおり、死線を越えてしまったから――というか、現実感がたぶんおかしくなっているからである。彼にとっては、

「人はみんな罪人さ」

みたいな台詞に示されるように、すでにこの世はダンテの地獄編みたいなものであって、地獄に落ちることが確定ならば、もう目の前の悪を殺すしかない、みたいなことになるのである。彼が最後、超人的な殺人テクニックを発揮するのは、この世の者じゃないからだ。

日本が罪にまみれた大国――アメリカや中国を嘗めてはならないのは、こういうことがあるからだ。罪を重ねてきているからこそ、上のようなジャンプの可能性があるのである。ドストエフスキーの応用みたいなものであるが――罪と罰の問題が、科学ではなくある種の信仰によってのみ乗り越えられていくことを我々はくれぐれも嘗めてならんのである。

結論:女に優しいやつが勝つ

ピンクレディーの思い出

2018-03-03 19:04:23 | 音楽


わたくしの世代にとってピンクレディーの思い出は、***セクス×リス的な何かであるに違いない。ちょうど小学生に上がる頃がこのデュオの全盛期である。振り付けをまねしていたのは、少し上の世代ではなかろうか。我々にとっては、初めて見る大人の女の人の足みたいなものであったであろう。その前は、ダイアナンエースみたいな女ロボットとか幼稚園のお下品なでかい女子しか見たことなかったのだが、突然あれである。わたくしは、ほとんど歌番組を見た記憶がないから、そのセクシーダンスを見た記憶はないのだが、なぜかピンクレディーの下敷きを所持していた記憶があるのである。

あれを下敷きにして鉛筆で平仮名の練習をする幼児は確実に第二次性徴が十年早まる

というわけで、来年、授業で歌謡曲について一部語らなきゃならんので、ピンクレディーの曲を「ペッパー警部」からあらかた聴いてみたのであるが、なんだこれ、ファンクだかなんだかの面白い曲がおおいではないかっ(ちなみに、ビクターの銀の箱のCDが異様に音がいいな……)調べていたら、若きミュージシャンとして参加している井上鑑がうたごえ運動の井上頼豊の息子であったと初めて知った。なんと……

作詞は阿久悠が多い。阿久悠の歌詞ってなんかポストモダンな気がしないでもないが、これをさらにポストモダンした作詞家がこのあと何人も……。



UFO!

ニュース雑感

2018-03-02 07:57:56 | ニュース


・「東京五輪マスコット決定 作者はフリーデザイナー「妻を回らないすしに連れていきたい」」https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180228-00000032-tospoweb-spo

……賞金は100万らしいが、ちょっと安すぎるんじゃねえかな……。才能が逃げるぞ。子どもっぽいキャラだなーいやだわー、と言っていたら、細君が「これきる人頭重くて大変でしょ」とコメント。さすがだ。わたくしには、労働者の悲しみがわからないのであろう。

・「清く正しく美しく」宝塚の舞台へ 音楽学校で卒業式 https://www.asahi.com/articles/ASL3135LHL31PTIL00L.html

……どうみても、この前の北朝鮮の美女軍団に似ている。おそらく影響関係すらあるのではないか。こっちからあっちへの。だから、あれをあまり笑えないと言っているのである。マスゲームだって日本人は学校で大好きだし、職場でも大好きではないか。――まあそれはともかく、古代だけでなく、日本と朝鮮半島はすごく影響を与え合っている。わたくしは宝塚演劇はあまり好きではないが、西洋音楽のオペラのいくつかは好きだし、宝塚の影響を受けた手塚治虫も尊敬している。文化独自的全体性などというものはまあないようなもんだ。作品はあるけど。

・羽生選手に国民栄誉賞授与へ…連覇偉業を評価 https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180301-00050129-yom-spo

……くだらないですね。ケガを乗り越えたやつなんて、ほとんどの選手に当てはまるでしょ

・文大統領が日本批判 3・1演説 慰安婦と竹島挙げ https://mainichi.jp/articles/20180301/k00/00e/030/251000c

……わたくしは、オリンピックの調子から言って、抗日運動の記念日の3月1日に、北朝鮮と共同宣言でもぶち上げると妄想していたのであるが、そこまではさすがになかったか。いずれにせよ、北朝鮮は無論、韓国の内部にだって、日本と同じように歴史観の対立はある。それをどれだけ認識し、長い目で見てなにをすべきか考えるべきなのであろう。すくなくとも政治家は。我々は、ばかにならないと意志を貫けないような癖がある。このまえ学生にそれを話したら、すごく納得してたね……。

・CMでさっそく、英語の四技能のためにうちの予備校キテキテ、みたいなのが流れてた。go to hell

お猿の戦だえいさっさ

2018-03-01 16:34:00 | 映画


わたくしは「猿の惑星」というのが好きで、日本のあれなテレビシリーズ以外は観ている。アメリカではテレビシリーズはあったのであろうか。つい新三部作の最終作を見に行けてなかったので、DVDで観てみた。

簡単にいえば、妻と息子を殺されて暗黒面に落ちたシーザー(お猿)が、お猿ウイルスにかかって失語症になってしまった息子を殺してしまってこれまた暗黒面に落ちたおじさんに、仁義なき戦いを挑むが、一族郎党ともども捕囚の身に。しかし、歴史の必然として捕囚は脱走、海よ割れよ、―のかわりに雪崩が人間どもの軍隊を滅ぼし、木の上に逃げたお猿さまたちが生き残る。出アメリカしたお猿たちは、旧約聖書的な必然として約束の地にいたる。しかし深手を負っていたシーザーは死ぬのであった……

旧シリーズは、核兵器の物神化と民主主義がテーマだったが、今度のシリーズは、人種差別とか国境線とかの「区別」による境界の発生とその道徳的処理がテーマであって全然違う。

はたして、どちらがお猿人間の精神のありようとして強靱なものといえるであろうか。

しかし、わたくしをして言わしむれば、どちらも人間が滅びるまでがはやすぎる。世界にはほかにも人間や猿がいっぱいいて、いろいろな知恵を絞っているのである。勝手に約束の地だとかいって人の土地に踏み込むんじゃないっ