メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

ユナイテッド93

2006-08-30 23:49:21 | 映画
ユナイテッド93

やっぱりかなり重かった。友だちは隣りで号泣していたけれども、
わたしは1滴も泣けなかった。なぜだろう。
9.11。あんな大惨事が今では次々起こる陰惨な事件のニュースに紛れて、
その後の展開がここ日本まではもう十分に届いていない気がする。
これ以上、風化させないためにも今作を作って後世に残す意味は大きいだろう。

映画という観点から見たら、想像通りだった部分と、意外だった部分と。
意外だったのは、いわゆる「お涙頂戴」的な同情をひくだけの
ヒューマンドラマ仕立てではなく、あくまで事件のリアルな再現に
徹していること。あえて無名の役者を起用して、機内や客より
地上との緊迫したやりとりがメインのドキュメンタリータッチ。
字幕の多さについていけなかったのと、軍やらのそれぞれの立場の違いが
わかりずらかった。

想像通りだったのは、そもそもなぜあんな悲惨な事件が引き起こされたのか
再び悲劇を繰り返さないためには、根本の何を変えなければならないのか
その根っことなる大事な背景が何も描かれていないこと。
まだまだ解明されていない部分も多いだろうし、
これからも長い間解明されないままにされる部分もあるかもしれない。
そのあたりはマイケル・ムーア監督『華氏911』や合わせて
『ボウリング・フォー・コロンバイン』がヒントとなるかも。

人の歴史はそのまま戦争の歴史だ。終わることのないあらゆる戦争、内紛、
紛争の根源は大抵いつも宗教の違いからだった。
大勢の人や動植物が死んで、大勢の人が悲しんでも、ある特定の民族だけを
助けてくれる神様って、一体どんな神様なんだろう。

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