メランコリア

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ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

水曜ミステリー9「横山秀夫特別企画 永遠の時効」

2014-06-27 14:49:32 | ドラマ
水曜ミステリー9「横山秀夫特別企画 永遠の時効」
原作:横山秀夫『永遠の時効』(集英社「小説すばる」所収)
脚本:窪田信介 監督:榎戸耕史
出演:中村俊介、田中哲司、光石研、矢島健一、相島一之、鈴木一真、入来茉里、田代さやか、伊武雅刀 ほか

この横山秀夫さん原作の刑事ものシリーズは、出演者もほぼそのままにずっと続いているんだね。

【その他のドラマの記事】
「横山秀夫サスペンス 密室の抜け穴」(2003)
ドラマ『顔』(2003)
囚人のジレンマ(2004)
『震度0』(2007)
横山秀夫サスペンス『自伝』(2010)

哲さんは、今回は班長役。こうして回を重ねるごとに、年齢相応にどんどん昇進していくのかな?w
ストーリーは、事件ももちろん、警察内部抗争がみどころ。
専門用語も多く出てきて、現場の生の雰囲気が伝わってくるのが魅力。


▼story(ネタバレ注意
2人の男に監禁されレイプされていた丹羽奈保子が、その場から逃げて保護された。
山梨県警本部捜査一課強行犯係一班の主任・田中武次が事情聴取する。
田中は「花いちもんめ」(ほかに配転すること)が噂される取調べのプロ。

強行犯係:殺人、誘拐、強姦等の凶悪犯罪の捜査を主に担当している。

強行犯は3班に分かれて、他より一歩でも抜きん出ようと日々競い合っている。
1班班長は「笑わない男」朽木(田中の上司)、2班班長は冷酷で通る楠見。

 

朽木「取調官の適性とは何だと思ってる?」
田中「絶え間なく人を憎み続けること。オレは人の憎しみ方を知っている人間です」
朽木「オレは一生笑わないと誓った。そんな人間は一人で充分だ」
(笑わない理由は分からずじまいだったな。哲さんはよく笑う役のほうがスキだ


ナオコは、犯人の2人は自分が金持ちの娘と知って、金をゆすろうと意見が分かれ、仲間割れし、
山中の木に縛られ放置された時に逃亡したと言う。
世間体を気にする両親は「家族の不祥事は出世に響く」と警察への通報も拒否したほどで、ナオコは親を憎んでいる。

「取調べって案外カンタンなんですね」
「取調べってゆうのは犯罪者に使う言葉ですよ」(そうなんだ/驚

田中は、ナオコは「ストックホルム症候群」だと推測する。
(海外では、自分を監禁した犯人と結婚した女性もいるってほんと?!

田中「供述が曖昧で誰かをかばっている。(親などへの)反発心が強いほど表れる。カウンセリングが必要です」
楠見「レイプもセックスだ。AもBも同じなら、ストックホルム症候群は成立しない、それとも見落としがあるはずだ」
(日本は検挙率は高くても、被害者へのケアがまったく不十分だな

 

ナオコが発見された山中に近い沼から、沈められた車が見つかり、中から白骨死体が出た。
車内の死体は、スナックホステスだった赤坂唯。10年前から行方不明になっていた。
車が早く沈むよう窓が10cm開いていたことに対して、朽木は「いじましいホシだな」とつぶやく。

当時、報告書を書いた警官に聞くと、「Nシステムは調べたのか?」とせっついた新聞記者がいたことを思い出す。
ユイのいたスナックは、「ブン屋(新聞記者)」のたまり場だったことから、
朽木は、その記者がホシとにらみ、まだ殺人事件とは限らないという嘘の会見をし、新聞社の上司に条件をもちかけて賭けに出る。

朽木「身内の犯罪を他社にすっぱ抜かれずに済むだろう。オレは部下を信じている」
  「雑音を排除してホシの言葉だけを聞く。それが捜査ってもんだ」

 

スナックのママには、ショバ代月4万円を払い+週3で刑事が通うことを条件に、当時のユイの様子を尋ねる(こんな交渉までしてるんだ
ユイは当時、記者の阿東と婚約したらしく店を辞めたという。一方、阿東は翌年に別の女性と結婚。
田中は阿東に任意同行の取調べを行うが、物証がないため1日目は何も聞かず終わり、2日目は阿東は殺し以外はすべて認めた。
(任意の場合、被疑者は自分から話を中断して出られるのかぁ

そんな中、事件当時の阿東のメモから意味不明な数字の羅列が見つかる。

楠見はナオコに冷酷非情な事情聴取をする。

朽木「ガイシャもヤマの一部だ。強行はヤマを食うのが仕事だ。お前はナオコを憎めるのか?」
  「憎みでホシの口を割らせるのはもうやめたほうがいい。憎しみで落とせない相手もいる」

 


時効の延長(死刑相当の刑)
2005年 15年から25年に延長された
2010年 時効は完全に撤廃された


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土曜ドラマ「55歳からのハローライフ」第2回「ペットロス」

2014-06-27 12:34:10 | ドラマ
土曜ドラマ「55歳からのハローライフ」

第2回「ペットロス」(2014.6.21 OA)
出演:風吹ジュン、松尾スズキ、一路真輝、世良公則 ほか

「あさイチ」で村上龍さん原作として紹介され、部長が出るってことで予録して観てみた。

 

超カワイイ柴さんが、あの若さで病死するなんて、見る前から号泣覚悟なズルい企画ながら、
部長のひさびさ(?)しっとりとした大人な演技を堪能できて感動した。
次回の原田美枝子さんの回も楽しみ♪


story(ネタバレ注意。話を最後まで書いちゃいました
淑子は、一人息子が海外赴任し、夫の定年退職を前に、長年、念願だった柴犬を飼いたいと願い出る。
ボビーと名付けて、散歩仲間の吉田とも出会う(彼のドーベルマンもかっちょイイ! 名前はサリーちゃんだけど
吉田は人気デザイナーだったが、愛妻を病気で亡くし、失意を癒すために子どもから犬をプレゼントされたのだという。

夫は、犬が嫌いで、普段は自室にこもって、誰が読むかも分からないブログを書いて過ごしている
元広告会社に勤務していた縁で、アパレル会社社長・石黒のホームパーティに夫婦で出かけるのだけが唯一の楽しみ。
社長の妻は、元女優?で、その美しさ、気品、知性をいつも褒め称える夫の態度に、惨めな気持ちになる淑子。



ある日、ボビーが難病に罹ってしまう。心臓に血液がたまって呼吸が苦しくなる病気で、完治しないという
「とにかく外に出してくれ、毛が落ちるから」(これはヒドすぎる・・・
淑子は看病のため、物置場にしている狭い部屋でボビーと寝泊りして看病すると言い出す。


「たかが犬じゃないか」
「オレはいつまで冷たい食事をしなきゃいけないんだ!」

と酷い言葉を投げつけていた夫もさすがに心配になり、居間にボビーの寝床をつくり、
「お前はソファで寝ろ。おかゆ作っておいたから」と変化を見せるが、それをキッカケに淑子の感情は爆発する

「ボビーの誕生日は覚えていたのに、オレの誕生日は忘れていたじゃないか!」
「私の誕生日なんてずっと忘れてるじゃないですか!
 石黒さんの奥さんばかり褒めて、自分の妻はずっと無視してきたじゃないですか!」

 
「そうゆう風にとってたんだな。悪かった。全部本気にしてたんだな。
 照れて、そうゆう風にしか言えないんだよ。あとは甘えていたのかもしれない」(日本人男性の一般的な姿だね

闘病が始まって1ヶ月。買い物の間に看てくれたり、願掛けで禁酒したりする夫。
ボビーはその後、静かに息を引き取り、夫は葬儀には来なかった。

「出会ってくれてありがとう」

また部屋にこもってブログを書いている夫。淑子は気まぐれにパソコンで検索して読んでみると、

「ブログの更新が滞ってしまった。病気の犬を見ているのも、看病する妻を見ているのも辛かった。
 小生はボビーに教えられた。生きようとする姿勢を見せるだけで、
 ほかの誰かになにかを与えることができるのではないか。

 必死に生きているものに、それ以上に生きろと誰が言えるだろう。
 生きようとするだけでボビーは、私たちに力を与えてくれたのである」



その後、吉田と再会した淑子は、どんな奥さんだったのかを尋ねると、
「一緒にいて楽しい妻ではなかったが、散歩をするだけで、とてもいい時間が過ごせるんです」
「(淑子が夫の話をしないのは)今でもその関係がちゃんと続いているから、人に話す必要がないってだけですよ

淑子は「また犬を飼うってどう?」と夫に聞く想像をして、
「あんなに辛い思いをしたのに。どうせ飼うならネコにしろよ」と言われる覚悟でいたら、一字一句同じことを言われて笑う

「自分では気づかなかったかもしれないけど、そうやって大きな声で笑うのを見るのは久しぶりだぞ。
 またそうやって笑ってくれるなら、犬でも馬でも飼ってくれ」


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中高年がなぜ? “薬物”本当の恐ろしさ@ニュース深読み

2014-06-27 10:26:18 | テレビ・動画配信
中高年がなぜ? “薬物”本当の恐ろしさ@ニュース深読み

 

先日放送した「中高年と覚醒剤@NHKクローズアップ現代」の続編とも言える特集だった。

日本で、現在、薬物法違反で逮捕される人は、1年に約1万人。

その理由、原因で多いのは
 

1.仕事、家庭でのストレスが大きい&重なる。
2.パソコンやスマホ等で、すぐ手に入るようになった。隠語で検索すると出てくる。
3.売人との受け渡し場所は、ホテル(プライバシー保護のための防犯カメラのない場所を逆に悪用)やコンビニ、駐車場が多い。
4.中高年のほうが、ある程度のお金の余裕がある。例:1グラム7万円


20代のバブル期に気軽に手を出して(乱用期)、そのまま依存に
 

若い頃に悪友などからすすめられ、軽い気持ちでやってしまう。
結婚、就職などで、人生が順調だといったん止めている時期があるが、
なにかトラブルになると、脳裏に浮かぶ=「依存」
「中毒」とはちょっと違う。中毒=摂取を止めて、解毒すれば治る。

アルコール、タバコ(ニコチン)、クスリも「依存性薬物」、1度でもやると「乱用」と呼び→「依存」状態になる。
ガマンしている状態が続き、一生その問題と付き合わなければならないのが一番の怖さ=「完治」しない


「薬物依存症」は、「否認」の病とも言われる。
ワーカホリックな人ほど依存しやすい。



逮捕後の孤独感からまた使い始める
 

1.今の日本の法律では、1回目の逮捕では「執行猶予」で出られる→職場を失う
2.孤独感、ストレスでまたクスリを使う。
3.2回目の逮捕では「実刑」となる→家族も離れていく

その繰り返しで、再犯者率は74%にのぼる。



「脱法ドラッグ」「脱法ハーブ」が急増


高値で取引されるため、海外から日本がターゲットにされている

日本で「脱法ドラッグ」を1度でもやったことがある人は、現在約40万人いるといわれる。
脱法と言っても、成分は覚せい剤と同じ、または幻覚症状など覚せい剤より酷いものも多い。

現在は、脱法でも違法と同じ処分となった。法で違法と指定しているのは1300種類以上。
「持っているだけ」でも逮捕される。

専門の麻薬捜査官を増やして、取り締まりを強化しているが、規制するほど危険度の高いものが出回るという悪循環。



リハビリプログラム、ケア施設などのシステムが大切だが、日本には少ない


・ポスターで警告しても、なかなか周りに助けを求めづらい。
・職場、家庭の事情で、カミングアウトできない
→言える場所、ケアする場所を作るのが、まず必要。


2016年までに今の法を「執行猶予」を延ばして、ケア施設で治療を受けさせ、再犯率を下げる方向を考えている。



'80年代から始めたアメリカの成功例
 

1.逮捕されたら、「ドラッグコート」という裁判にかけられ、「治療」か「刑期」かが自分で選べる/驚

2.「治療」を選ぶ人が多い。統計をとったところ、刑期を選んだ人より治療を選んだ人のほうが「再犯率」が低い。


3.医療機関等で「グループ・ミーティング」などに“仕事もしながら自宅から通う”
週2~3回「尿検査」を受けることが条件。

4.「尿検査」でひっかかった場合→再び「ドラッグコート」に戻って選択する。この繰り返し。
仮釈放直後に、すぐ依存に戻ってしまう人が多い(ガマンしていた解放感の反動から
→その人により合ったメニューのやり方に変える。

5.プログラムを終え、尿検査も「陰性」になれば「修了書」がもらえ、犯罪歴も抹消される
「犯罪歴」があると、再就職に影響するため。

【その他のメリット】
・2000~3000人が出所。刑務所等にかかる税金の負担も減る。
・社会復帰して就職してもらうほうが、国の利益につながる。



日本での取り組み
専門のリハビリ、ケア施設は、全国で20ないのが現状。地域で連携して、支援のガイドラインを作成中。
まずは、専門スタッフの養成が必要だが、予算も足りない状況。

薬物依存症は、「犯罪」ではなく「病気」と捉える意識改革が重要。

身近なものとして認識し、復帰する人を排除しない。
「ダルク」活動をしようとすると、いまだに反対運動が起こる


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