メランコリア

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『THE LAST WALTZ』@ヒューマントラストシネマ渋谷(2018.5.1)

2018-05-02 08:45:22 | 音楽&ライブ
『THE LAST WALTZ』ヒューマントラストシネマ渋谷(2018.5.1)

“40年の時を超えて、伝説のライブが今、大音量リマスター映像で蘇る!
 1978年7月。日比谷のある映画館で『ラスト・ワルツ』が初めて公開された。
 当時、新進気鋭の監督だったマーティン・スコセッシが、実力派のロック・バンド、ザ・バンドの解散ライブのステージ演出を行い、
 その熱狂と興奮を記録した画期的なライブ映画で、素晴らしい演奏と美しい映像が話題を呼び、
 ロック映画の金字塔として多くの人々に愛された。
 今年は公開から40年という節目の年。初めてのデジタル・リマスターの鮮やかな映像でよみがえる。”

監督:マーティン・スコセッシ
出演:ザ・バンド、ボブ・ディラン、エリック・クラプトン、ニール・ヤング ほか


「心の中のベストフィルム~『ラスト・ワルツ』(1978)」


 

ヒューマントラストシネマ渋谷も角川シネマ有楽町もどちらも8階だから渋谷に来てみた

渋谷はいまだに迷うけれども、こんな方面に出たのは初めて
映画館のある「cocoti SHIBUYA(渋谷 ココチ)」も、その隣りの「SHIBUYA CAST./渋谷キャスト」
なんてオシャレビルも、一体いつ出来たのやら、上はオフィスも多いみたいだけど
「多目的スペース」で何かイベントでもやっているのだろうか?

30分前にチケットを買って、10分前に入場可能、予告編は短いということだったから
周りを少しだけ歩いてみたけど、山手線を挟んだタワレコに行くほどの時間はなかった

ビックリしたのは、歩道にある看板を触ってる人がいて、何してるのか見たら
端末の地図をスワイプしてた 近未来ですか?!




映画館は、8階と9階
8階にドリンクやポップコーンなどの売り場があり、ペットボトルは「いろはす」しかなくて200円で買った



来ていたのは、老若男女 GWの中日だから席は半分弱埋まってた
私は出入り口に近く、後方の通路側

高所にドキドキしたけれども、始まった瞬間から泣いて、すっかり作品の世界に入ってしまった
サイトにも、スタッフも「音量が大きいので注意してください」と言っていた意味が分かった

スコセッシ監督が作品の冒頭に「できるだけ大きな音量で(PLAY LOUD)」とわざわざテロップを出しているからw
これはあの夜のライヴの再演なんだ

1曲1曲一緒に歌い(心の中で)、体を揺らし(周りに迷惑にならない程度に)、
一夜限りのラスト・ワルツを私も体験することが出来た

その後、それぞれがたどった道を思うと、どうしても胸があふれる
でも、このフィルムの中に永遠に収められた彼らは
1人ひとりが天才で、唯一無二で、そして若かった!


「この男から始まった だから今夜もこの男から始めたいと思う」

Ronnie Hawkinsからもう「まだ生きてるのか?」(今調べたら生きてた! 83歳!)とかいちいち気になって
ディランが今年来日するなんて奇跡だとかいろんなことが頭をよぎった

出る人、出る人、ロビーが言う通り「悪魔が送ってきたような」大物ばかりで、曲者で、音楽バカばかり
それぞれのアクの強さを最大限活かしつつ、バックバンドとしての自分たちの力量も最大限絡ませる

リックの歌う♪It Makes No Difference も大好きな曲の1つ
どんどん本来のメロディやリズムから外れて、おいおいどこへ行くんだ?!
と思わせつつ、どこまでも自由な歌い方、演奏が魅力

来日しようとした時も麻薬で空港で捕まってなかったっけ?

私が観た「再結成ライヴ」にはロビーだけいなかった

THE BAND@東京厚生年金会館ホール(1994.4.30)

音はそのままなのに、一番好きなロビーだけがいないポッカリ空いた穴が埋まらないままの時間だった

ロビー:
16年間やってきた
エルヴィス、オーティス・レディング、ジャニス、ジミー・ヘンドリックス、、、
たくさんの才能あるミュージシャンが消えた
あんな生き方は出来ない

ライヴは1976年 70年を越えられなかった才能は他にもたくさんいた


途中いろんなハプニングも「おいしい!」と拾ったスコセッシ監督の才能も素晴らしい
Eric Claptonのギターストラップが外れて、ロビーがすかさず引き継いだ瞬間も観た

たしか伝記では、カメラマンが慌てて切り替えようとしたのを
「バカ! カメラを回せ!」と怒鳴ったんじゃなかったっけ?

『ザ・バンド 流れ者のブルース』



この頃、ミュージシャンの分厚い伝記ものもたくさん読んだのに
感想メモは1つも残っていない ジャニスも、ルー・リードも、シド・ヴィシャスも

伝記にあった断片的な記憶も音楽の中に混ざっていく




Helpless/Neil Young も泣ける
「一緒に演れるのが誇りだ」と演奏前に言って、「何ゆってんだよ」とロビー
ハウリング?を気にするメンバに「彼らはちゃんとやってるよ」と笑うニール

Van Morrisonの足の蹴り上げも観た
黒いピチピチのインナーに赤がね色のジャケットで、
ホーン隊を煽りながら独自の世界を作る

ラストを締めるのはディラン
彼のバックバンドとしても有名となったが、
ロック路線に変更した際は、とんでもないブーイングが起きていた映像も残っている

1曲終える時、フニャフニャになっていって、メンバーがなんだ、なんだ?と思っていると
急に別の多分予定にない曲を始めて、すぐについていくところは、阿吽の呼吸
ディランはいつも型破りw









気づけばもう全員が揃って、この夜の象徴的なテーマのように♪I Shall Be Released を歌う時も
やけに高い声でサビを歌った勢いで戻らないまま突っ走るww
ある意味天然 ある意味これがディラン なんでもありを楽しんでる


映画の終わりは、スタジオでそれぞれ楽器を持ち替えてワルツを弾き
手元のアップからカメラが引いていくと、満月のようなライトが並んでいる

これが「終わりの始まりの始まりの終わりの始まり」

一番輝いていて、一番酒とドラッグにハマっていて、一番ツアーでボロボロだった時期

スコセッシは、今作が後々永遠に語り継がれる最高傑作になると最初から確信をもって
この一夜限りの祭典を計り知れない執念をもって見事に撮り上げた
ザ・バンドは、この映画の中で、これ以上ない最高の形で残り続ける

これを2018年の私が劇場で大音量で観られたこともまた計り知れない縁
すべての名曲を噛み締めるように聴いて、泣いた
大きく鼻をすすっても、全然周りに聞こえないほどの音量だったから




この日拾ったほかの映画のチラシもなかなか興味深いものばかりだった

 

 

 

ダニエル・デュ・ルイスは素晴らしい俳優の一人なのに、なぜもう引退してしまうのか?
病気とかじゃなきゃいいけど

 


『ロビー・ロバートソン自伝』が今年6月に出るのも気になる



“カナダでの生い立ちから、ディランとの出会い、
 ザ・バンドの結成と黄金時代、そして「ラスト・ワルツ」まで。

 これまで語られることの少なかったロビーの実像、
 そして彼から見たザ・バンドの内幕に迫る待望の一冊。”












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