霜後桃源記  

安心、安全と美味しさへのこだわり
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主役の妻は生産部長、夫は営業部長兼雑用係

「正論を吐き自治会で浮いている」

2018-06-03 21:10:48 | 社会

表題の作品に、今朝の毎日新聞の「万能川柳」欄で😊マークが付いていた。
私は、この投稿者が羨ましい。

当地では、自治会ばかりか役所や市議等に対しても正論が通じない。
もしかすると、私の主張は「正論ではなく邪論」なのかもしれない。

同じく今朝の毎日新聞の「時代の風」欄で、作家が「大多数の国民が共感するであろう
主張」をしていて、興味深く読んだ。

作家は「物事の本質」を見抜く「研ぎ澄まされた感性」を持っているのかもしれない。


(一日が経過し、環境に順応した雛達は餌にも水にも貪欲になって来た)

毎日新聞「時代の風」 2018.6.3
 「泥船に乗っている我々 言いつくろいの末に」 中島京子・作家

前々回の本欄で、泥船に乗っているような気がすると書いたのだが、2カ月以上経(た)っても、まだそこから降りられない。
なにしろ船長が、泥船ではありませんと頑(かたく)なに言い張って、溶けながら沈んでいく船を止める気も、救命ボートを
降ろして乗客を救う気もない。乗組員たちはそんな船長を必死でかばって、泥船に見えないように、穴に紙を貼ったり、乾いた土を
被(かぶ)せたりしている。そんな感じ。

関係者がその場その場で言いつくろうので、さほど複雑ではなかった話がとんでもないことになってしまう。
たとえば、首相秘書官という人は、「会いたい」と言ってきた人とは誰かれなく首相官邸で会い、そのことを上司に報告もせず、
名刺をもらってもさっさと捨ててしまい、そうしておいて、自分が誰と会い何をしたかを、やったそばから忘れていくという、
信じがたいほどいい加減で無能な人物に成り下がってしまった。

実になげかわしい。日本の優秀なはずの官僚が、よもやそんなことはあるまいと思うが、本人が言いはるのだから救いがたい。
加計学園の担当者は、獣医学部を作りたいと思うあまり、「理事長が安倍晋三首相と会った。そのとき、首相が『獣医学部、
いいね!』と言いました」と作り話をしたことになった。愛媛県知事が「県職員は子供の使いではない」と怒っていたが、
加計学園の職員だってそうだろう。これではまるで「うちのにいちゃん、強いんだぜ」と見栄(みえ)を張る幼児のようだ。
しかも、上司の判断や指示なしに勝手にやったということにされるのだろう。嘘(うそ)をつく人の周囲では、組織の末端に
いけばいくほど、自己裁量の幅が広くなる(念のために書いておきますが、これは皮肉です)。

もう辞めてしまった国税庁長官が財務省理財局長時代にきっぱりと「廃棄した」「ありません」と言っていた文書は
4000ページだか出てきた。財務相は言うに事欠いて「悪質な書き換えではなかった」と答弁したが、決裁した公文書を
書き換えるのは改ざんであり、改ざんすること自体が悪質なのである。
不思議なのは、加計学園の理事長が、この間一度も人前に姿を現していないことだ。証人喚問を与党が拒んでいるというのも
あるけれど、報道機関はどうして彼を追いかけないのか。相手が相撲取りやタレントや大学のスポーツ部の監督なら、嫌だと
いっても追いかけるのに。加計学園問題の中心、ど真ん中にいるのに、証人喚問も記者会見もまぬかれているのは、それ自体
異例の特別扱いであるように思える。

「加計ありき」とはつまり、「特別扱い」という意味であり、国会は去年からずっと「特別扱いだったのかどうか」をめぐって
紛糾している。現状の扱いをみれば、過去の扱いもそうであったに違いないと思うのが普通だ。
これだけ行政への信頼をぶち壊したのだから、安倍政権はもうお終(しま)いだろう、もう持たないだろうと、何度思った
ことか。
ところがどっこい船長はしぶとい。かくなる上は3選も改憲もありうると、最近、私は腹をくくった。
だから何度でも書いておく。いま改憲に前のめりな首相と与党政治家、そしてイエスマンの官僚たちは国家公務員であり、
「一部」ではなく国民「全体の奉仕者」である(憲法15条)。彼らは憲法遵守(じゅんしゅ)義務を負う(憲法99条)。

ところがこのところずっと、憲法違反のし放題、国民に嘘をつきつづけている。その彼らが憲法を変えたいと言う。
オオカミが、おばあさんの帽子を被って「この鍵を開けとくれ」と言っているように見えないか。鍵を開けて欲しければ、
ちゃんとしたおばあさんを連れて来るべきだし、そうしないのならば、国民は国民投票でノーと言わなければならない。
残念な話題に満ちた今日この頃だが、瞠目(どうもく)しているのは、次から次へと嘘を暴く文書が発見されることだ。
そこには希望を感じる。何でもかんでも書いておく役人気質にも感心した。中央官庁の官僚から地方公務員まで、詳細な
メモを残す体質は徹底しているらしい。これは美風であって、今回のことで、メモを残すなというような困った風潮が
生まれないことを切に願う。 
コメント (1)
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