都市部で暮らすお客様から「米の在庫は無いか?」との問い合わせが多いが
当地でも「米の供給不足」が続いている。
その原因が「昨年の不作」や「インバウンド需要」によるものと喧伝され
ているが、国が米の価格維持のために進めて来た「減反政策」が過度に効果
を発揮し始めただけに過ぎない。
安倍内閣時代に「減反政策を止めた」ことになっているが、実際は今も莫大
な税金を費やして転作を奨励し続けている。
その転作奨励金も数年後に全面的に廃止される見込みだが、それによって
米の生産量が急に増える訳ではない。
高齢化、後継者不足で農業従事者は減少し続けており、また、田植えや稲刈り
が機械化された今は、小規模農家が経営を維持することが困難なことから、転作
奨励金の廃止と共に「農業と縁を切る」農家が急増することが予想されている。

(雨続きで倒れかかっている稲が多くなった)
TVのコメンテーターは、「後継者不足等で農地の集約が促進され、経営規模
拡大のチャンス」と前向きに捉えて解説していたが、それが米の供給不足解消に
直結するかどうかは不明である。
少なくとも、諸物価高騰の中で主食の米まで高値になると一番困るのは社会的
弱者であることだけは間違いない。
蛇足ながら、吉村大阪府知事が国の備蓄米の放出を求めたのに対し、農水大臣
は「米の販売価格の混乱を招く」と拒否している。