エディプス・コンプレックスなんて書けば恰好がつくと思っている連中が多い。職業書評家なんかにとくに多い。この言葉は商標登録「精神分析学」で商標権を主張している用語である。父殺し、ないしは母子相姦願望を言うとしている。
ジムクンドのフロちゃん(フロイト)が言いだした言葉だ。商標登録「精神分析」が詐術であることは繰り返し述べてきたところである。ユダヤ難民、、背教者フロイトのユダヤ教割礼恐怖から発酵した奇想である。
エディプスとはギリシャの王子オイデプス物語から持ってきた言葉である。そもそもこの物語は父王の子捨てに始まる。子殺し、養育放棄のギリシャ番である。この捨て子が隣の国王に拾われ素性を知らないまま成長した王子が後年、道で出会った見知らぬ王を殺す羽目になる、もちろん実父と知らずにだ。
そしてご念のいったことには、後家になった母親と結婚するというものがたりだ。したがってこの名前を親殺しの代名詞に使うのはギリシャ神話を知らないもののすることである。
エディプス・コンプレックスとは、サル以来霊長類の人間が深く引き継いできた子殺し症候群に命名すべきものである。
ドストエフスキーの父子三大長編でいえば、悪霊のステパン・ヴェルホーヴェンスキー、未成年のヴェルシーロフそしてカラマーゾフの兄弟のフョードル・カラマーゾフにあてられるべき言葉なのである。
>> 何となく書いたことが記憶に引っ掛かっていたのでこの記事を読みなおしたんだが、オイデプスのことをギリシャ神話の神と書くのはおかしいね。古代ギリシャの伝承、物語あるいはそれに基づいてソフォクレスだったかユウリピデスだったかが書いたギリシャ悲劇「オイデプス」にひっかけて(間違ってフロイトが)命名したとでも書くべきだったのだね。
>> おっと忘れていた。ギリシャ神話でいえば天界の二代目大王クロノスが子殺しの常習者である。彼は生れてくる自分の子供を全部食べてしまった。最後のゼウスは母親がクロノスに石に産着をかぶせて赤ん坊とだましてクロノスにのみこませた。後に成長したゼウスが父親を退治して第三代大明神となったわけであった。
ところで神話なんてのはどこの国のも大体同じである。特に日本神話とギリシャ神話はよく似ているが、子殺しの逸話は日本神話にはないようだ。いやいやあったっけ、カクズチノ神だったかな。父のイザナギノ神が怒って三つにぶった切ったんじゃなかったけ。あれはちょっと性質がちがうんだよね。たしか、カクズチの出産のときにイザナミが死んだのを怒ったというんだから。ま、それでも今後の繁殖の道を断たれて逆上したというのだから同じか。
もっともその時に流れた血から様々な神が生まれた。性交が出来なくなったからクローン繁殖に切り替えたわけだ。関東制圧の功績で今でも香取神社の祭神となっている経津主神はカクズチの血から生まれたことになっている。