出ましたね。昨日書店で見て買いました。まだ読んでいませんが。光文社古典新訳文庫、亀山郁夫訳。
三では何と言ってもステパンじいさんの家出でしょう。悪霊のキャラクターで唯一肉化されているステパン一代記が読みどころです。それが三に出ているんですね。新潮文庫の誰の訳だったか、これもよかったが。もっともオイラはロシア語が分からないから翻訳として云々という議論は出来んのだが。
「旅に病んで夢は荒野をかけめぐる」わけですな。オイラはミーハーですからここのところが泣けた。
スタブロ銀次なんて、ドストによくある形而上学的操作子でペケです。この辺がオイラの見解に賛成者が一人もいない理由でしょうな。あの「告白」なんてどこがいいんでしょうな。
大体私はいわゆる三大長編カラマン棒の兄弟、白痴、悪霊をそれほど評価しない。ドストの作品中の相対比較ですよ。罪と罰はまあよし。未成年もどうもね。あの絡みつくようなむんむんしたものが枯れていっている。年齢だと思いますが。
大体ドストには最初の二作の連なる系譜がある。貧しい人々の系列では「虐げられた人々」が頂点でしょう。
第二作ダブルに連なる系譜は割と粒がそろっている。地下室の手記や罪と罰など。悪霊とカラマン棒の兄弟の一部キャラに、たとえば長兄ドミトリー?や悪霊の一部(一部キャラではない)に余韻が聞こえます。