三条東山交叉点まで来ると、辺りは京都の観光スポットらしく、大型
のホテルも目に付くようになる。歩道には観光らしき人が増え、グルー
プや家族連れ、楽しげなカップル等の姿もみえる。
土産物店等も目に付くようになり、昼時とあって食事処などには、早行
列が出来ている。
車道を行き交う車も、地元車の他にチラホラと県外ナンバーも見られ、
そんな間を縫って時折大型の観光バスも一杯の人を乗せ走り去って行く。
昔も此の三条大橋を控えた地では、馬借や車借などの運送業者が住み
着き、物資の運搬に従事し、人や物の往来が激しく行交ったと言うから、
その大層な賑わいは今も昔も変らない。
平成28(2016)年4月18日お昼12時、お江戸日本橋を背に東海道を
歩き始めた。ここを起点とする東海道は、その距離百二六里六町一間、
現在の距離に直せば凡そ492㎞だ。それを昔の人に習って、全行程歩い
て踏破する計画である。
一気に歩き抜くだけの脚力は無いので、二泊ないしは三泊しながら、
一日20~25㎞程度を目安にのんびり、気ままな歩き旅である。
とは言えコロナ禍では、4年程足踏みを余儀なくされ、その間自身の
感染もあり体調が不安な時期も有った。
避けようのない加齢は、残念な事に体力、脚力を否応もなく低下させる。
直近では一日に歩く距離は15㎞がヤットである。
昔の人は、日の出から日の入りまで、一日に10里(凡40㎞)は歩き、
それを何日も続けたというが、歩くしか術のない時代とは言え、驚異的
な脚力には脱帽である。
到底それをまねる事は出来ないが、それでも一歩を踏み出せば、確実
に前に進むことが出来る。立ち止まっていたら何も始まらない。
こうした小さな一歩を、又一歩と積み重ね、今ようやくにしてそのゴー
ルが見えてきた。(続)
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