まこの時間

毎日の生活の中の小さな癒しと、笑いを求めて。

おそるべしオバパワー 2-郷ひろみコンサート編ー

2008-08-10 | 暮らし
友達から、どうしてもとの誘いに、たまにはお付き合いと「郷ひろみ」のコンサートへ行くことになった。
わたしは、郷ひろみのファンではない。
どちらかといえば「よしだたくろう」「かぐや姫」系のほうが好きである。

実はコンサートは初体験である。
行く暇もないのであるが、一度体験しようと出かけた。
おまけに、同年代の人が多いであろう恐ろしいコンサート会場であることも覚悟のうえだ。
かねてより、○子が手配していたので、券は電車の中でもらうことにした。
座席で券を分けてもらうと、横の席の4人の人が
「郷ひろみですか・・わたしたちもです」と、声をかけてきた。
明らかに着飾っている中年のおばさんたちである。
どうも福井から乗ってきたようで、ファンクラブとのこと。
来月は福井でもあるが、その前にこちらへも・・と言うわけだ。
おっかけ4人組みか。聞きもしないのにやたら話しかけてくる。

「行けばそれなりに楽しめるよ」と、○子が言ったが、始まるや否や総立ちで全員振り付けも揃っているし、一体なんでこちらが踊らされなくてはならんのだと思いながらも座っているわけにはいかない。
バンドのひとりが振り付けをうながしている。
それに合わせて手を振り上げ、手拍子をしてへとへとになる。
4曲メドレーで、激しい照明と音響。
歌詞が聞き取れないので何を歌っているのかわからない。
酒で酔ってもいないのに、こんなことをしているいい年のおばさんたちが怖い。
しかし、わたしもここにいる限りはその仲間である。
このまま立っていなくてはならないのかと不安になったが、次のバラードに入ったら全員座る。このへんもみんな慣れているようだ。

彼が日々トレーニングをしてコンサートに臨む理由がわかった。
彼の古い歌しか知らない私には、とうていお付き合いの範囲だが、彼は素晴らしいプロであることは理解できた。
会社の周りの同年代のおっちゃんとはかけ離れた若さ。
おまけに、たったひとりの妻でさえも、もてあますであろう中年のおばさんをかくも大勢を自分ひとりで背負うのであるから、毎回のステージは命がけに違いない。
オリンピックの開会式を見て感動したが、彼のパワーはそれに匹敵する。
積み重ねた家庭の事情もあるだろう、つまらないうっぷんをここで発散させようとする妖怪以上のエネルギーを持ったおばパワーを相手にしなくてはならないのだから、彼の日々のトレーニングはオリンピック選手さながらではないか。

いや、このおばパワーに支えられているからこそ、彼は芸能生活を送れるのか。
不可解ではあるが、初体験の感想である。
たぶん、もうコンサートへは行かないと思う。
しかし、家へ帰ってから孫に「あっち、ち」の振り付けを教えていて娘に叱られた。