飲羽
2011-05-13 | 弓道
「鹿狩りでは初矢を重んじ、猪狩りでは留矢を重んずる」とは、前回の競技規則の話。今回は、初めて狩に出て射止めた話。
初めて狩に出ることを矢口を開くというらしい。わたしたちは、弓を引いているときに、弓手の上にある矢が弓から離れて開いてしまうことを、矢口が開くと言うが、全く意味が違う。
頼朝の嗣子頼家、当年13歳。初めて鹿を射止めた。頼家の矢は飲羽した。すなわち、鹿に中たった矢は、矢羽が飲み込まれるほど深々と突き刺さったと記されていた。
そのことから、頼家は強弓を引いていたと思われる。
最近、弓が少し強く感じる。12kgや13kgで、強いの弱いのとは情けないのだが、筋力が衰えないために日夜、弓を引き続けなくてはならない。
先日、娘と赤ちゃんを連れて散歩へ出かけた。町内の神社に鉄棒があるので、久々に逆上がりをしてみた。いや、逆上がりをしようとした。上がらない、そして、肩甲骨から腕の付け根あたりに電流がびきっと走ったようなかんじがした。準備運動もなしに逆上がりは無謀だと思った。その後、弓を引いたときに影響が出たのは言うまでもない。
強弓を引いていた頼家は、逆上がりができただろうか。