11月に入って臨時国会も後半戦です。
法案のほとんどは衆議院で先に審議し、
その後に参議院に送られます。
従って、国会の前半は衆議院が忙しく、
後半は参議院が忙しいのが通例です。
今週から国会論戦も後半戦に入りますが、
まだ衆議院が忙しい状態が続いています。
大臣の辞任等が続いて起こったために、
政府与党の想定していた通りではなく、
審議スケジュールが遅れ気味です。
どこからともなく解散風も吹き始めて、
与野党対決ムードがさらに高まります。
消費税増税を延期するか否かの判断や
原発再稼働の判断も重要になります。
国会はいよいよ政局の時期になります。
こういう時こそ理念や原理原則が大事。
私が大事にしたいのは、1)国際協調外交
2)行政改革・規制改革 3)自由主義、
といったポイントです。
右傾化安倍政権に対抗軸をつくるため、
穏健な中道勢力を結集していくことが、
いまの日本政治には重要だと思います。
1年半程前に某大手紙に投稿した小文を、
再掲して原点を再確認したいと思います。
なお、投稿にあたっては当時の党三役に
承認を得た上で投稿しております。
党の方針に反することはないと思います。
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「自由主義と国際協調の勢力結集を」
いまの政界を概観して縦軸に外交安保の「タカ派」と「ハト派」をとり、横軸に「小さな政府」と「大きな政府」をとると、「タカ派×小さな政府」や「タカ派×大きな政府」あるいは「ハト派×大きな政府」の勢力は存在感がある。
尖
閣問題や従軍慰安婦問題で強硬な姿勢を示し、かつ、歳出削減や地方分権に熱心な行革派の「タカ派×小さな政府」は、自民党にも維新の会にもいる。尖閣問題
や歴史認識問題で中韓に厳しい態度をとり、かつ、公共事業拡大に熱心で行革に無関心な「タカ派×大きな政府」も自民党の大勢力である。民主党の一部や共産
党、社民党は、憲法9条堅持を主張し、再分配を重視する「ハト派×大きな政府」であろう。
しかし、国際協調を重視して自由貿易を擁護し、行政改革や歳出削減に熱心な「ハト派×小さな政府」の勢力は見えにくい。自民党はタカ派もハト派もいる幅の広い政党だったが、宮澤喜一元総理や後藤田正晴元官房長官のような考え方の自民党ハト派は絶滅危惧種である。
し
かし、弱体な「ハト派×小さな政府」勢力は、いまの日本に必要な政治勢力ではないだろうか。では「ハト派×小さな政府」はどんな政策を掲げるだろうか。そ
れは自由主義と国際協調である。経済的自由を尊重し、政府の介入に慎重で、市場メカニズムを重視して規制改革に取り組むと同時に、TPPに参加し自由貿易
を推進する。
同時に自由主義者は、政治的自由や社会的自由を尊重し、民主主義や人権といった価値観を共有する米国や豪州、アセアン諸国と
連携しつつ、過去の反省を忘れずに偏狭なナショナリズムをあおらない。また、非武装中立や自衛隊の存在を否定する非現実的な立場はとらない。国際政治はい
まだに勢力均衡が支配的である。力の空白が生じれば、近隣の大国がそれを埋めようと動く。近年の尖閣問題や竹島問題を見れば明らかである。
自
由主義は、国民の生活に政府が過剰に介入することを嫌う。例えば、道徳教育の教科化が話題だが、憲法で「思想及び良心の自由」が保障されている以上、文科
省という官僚組織が個人の道徳(=良心)にどこまで介入すべきか線引きが難しく慎重であるべきと考える。自由主義の視点に立てば、道徳教育の教科化より、
コンプライアンス教育やいわゆる「シチズンシップ教育」といった視点に立ち、社会の中で責任ある市民(国民)として生きていくための知識・スキルを身に着
ける教育に行きつく。
自由主義者にとって男女差別や障がい者差別は、他者の自由の侵害であり、絶対に許容できない。自由主義は、人々の多様な活動に対し寛容である。多様性を尊び、全体主義や官僚統制に反対する。自由主義者は、体罰で強制するような教育は絶対認めない。
そ
して日本国統合の象徴として天皇を頂く立憲君主国家であることを積極的に肯定し、日本固有の伝統や文化を大事にしつつも、唯我独尊的なナショナリズムとは
一線を画す。国際社会の平和と安定に積極的に貢献し、グローバルな課題への対処でリーダーシップを発揮する。少なすぎるODAを増額し、海外投資や経済協
力をさらに拡大し、国際社会において信頼され愛される国を目指す。
こういった「ハト派×小さな政府」、自由主義と国際協調の政治勢力を結集することが、政界再編のひとつのテーマではないだろうか。