毎日新聞 11月16日(日)9時0分配信 「 2013年に行われた教員採用試験の適性検査を巡り、山梨県や山形県など少なくとも4自治体の教育委員会が、性的指向や宗教についての質問を含む心理テストを使用していたことが毎日新聞の全国調査で分かった。使用自治体はいずれも、合否の参考や人事配置の参考にしていると回答したが、このテストに関しては、公務員の採用試験での実施例が人権侵害にあたるとして12年6月の衆院法務委員会で質疑があり、滝実法相(当時)が「認識が薄かった」と釈明するなどした経緯がある。不適切な質問の削除など改善の動きもみられるが、教員採用の現場で、差別につながりかねない検査が行われていた実態が浮かんだ。心理テストは「MinnesotaMultiphasicPersonalityInventory(ミネソタ多面的人格目録検査)」。頭文字から「MMPI」という略称で知られる。精神疾患のある患者を判定することが当初の目的で、主に医療現場で使われるとされる。回答者は550項目に上る質問文を読み、当てはまるか否か、「どちらともいえない」の三択で答える。最も流通している出版社のMMPIによれば、質問には、同性に強く心をひかれる▽(男性向けの質問として)女だったら良かったのにと思うことが時どきある▽キリストの再臨(さいりん)(もう一度この世に現れること)を信じる--など性的指向や宗教に触れる内容が含まれる。毎日新聞は今年8月、教員採用試験を実施している全国の47都道府県と20政令市の各教委にMMPIやその短縮版を13年に使用したかを尋ね、全自治体から回答を得た。それによると、山形、山梨、岐阜(性や宗教に関わる質問は黒塗り)の3県と静岡、浜松の2市が実施したと回答し、栃木▽埼玉▽富山▽石川▽大分--の5県と福岡市は「非公表」だった。このうち、毎日新聞が山梨県に情報公開請求をして開示された「適性検査概要」の文書に「MMPI検査が栃木、埼玉、富山の各県の教員適性検査でも採用されている」などとあることから、「非公表」自治体でも13年に行われた可能性はあるとみられる。他の56自治体は実施していないと回答した。
実施目的について聞いたところ、山形、山梨両県と静岡市は「合否の参考にする」。岐阜県と浜松市は「合格後の人事配置の参考にする」と答えた。
そのうえで、山梨県は取材に対し、「いろいろ問題になっていることは知っているし、他県では他のテストに変更しているところが多いが、総合的に判断した」と述べ、14年もMMPIを実施したと認めた。
山形県は「少なくとも03年以降、毎年実施」とした上で「14年は宗教や性、家族に関する不適切な質問を削除した」。岐阜県はMMPIの実施については認めつつ、「5年以上前から性や宗教に関わる質問は黒塗りして実施してきた」などと説明した。
また、静岡、浜松両市は14年については「一部の質問が削除されたタイプで実施」「実施していない」とそれぞれ答えた。【藤沢美由紀】
【ことば】MMPI
精神疾患である人と健常者を区別するために1943年、米国で開発され、日本には50年代から導入された。主に医療現場で使われ、質問項目の少ない短縮版もある。
毎日新聞が情報公開請求で入手した適性検査概要によれば、550に上る質問内容は一般的健康▽一般的神経症状▽社会的態度▽男性性▽女性性▽抑鬱感情--など26領域。教員採用試験で使う場合、自治体は採点や判定業務を契約先である国内の発行元出版社に依頼するとみられる。』
心理テストは「MinnesotaMultiphasicPersonalityInventory(ミネソタ多面的人格目録検査)」。頭文字から「MMPI」という略称で知られる。精神疾患のある患者を判定することが当初の目的で、主に医療現場で使われるとされていますが、アメリカの精神医学会では、最近では正確なうつ病や精神障害の診断が出来ないと言う評価が下されているでは有りませんか。
宗教についての質問に関しても各家庭では、ご先祖様からの受け継いだそれぞれの宗教が有り、日本国憲法の第二十条の信教の自由を侵すもので、日本人として御先祖を大切にしないと言う悪しき考えの現われでは有りませんか。教員採用試験のこのような適性検査で「合否の参考にする」のは、公平性と公正さを損なうものです。