大阪・見回り隊の“ズサンな仕事”に怒る府民。大阪府に問いただした
吉村知事に怒りを覚える大阪府民
今月1日、大阪府の吉村洋文知事は新型コロナウイルスの緊急事態宣言に伴う休業や営業時短要請に応じていない飲食店16店舗に休業命令を出すことを決定し、「5店舗は協力してくれるとの返答をもらった」ことを明かした。
先月25日、ABCテレビの情報番組に生出演した際、緊急事態宣言の中でも休業要請に応じず酒類を提供する店舗に怒りをあらわにした吉村知事。この発言に対してネットでは「大阪府民のほうが怒り心頭」「休業に応じている店舗に休業補償金を先に払うのが先なのでは」などの指摘が上がっていた。
つい先日も、見回り隊のバイト求人募集要項に「サクッと稼げるオイシイ仕事」と記載して炎上したり相変わらず世間を騒がせている大阪。その大阪で少し前から見回り隊の立入り調査が話題になっており、中には「1日に2回も来た」「チェックも全然せず目視しただけで帰っていった」など厳しいツッコミを受けている。
「何がしたいのかわからない」
度重なる休業時短営業要請に、罰金覚悟のうえで店を開けることを決意した飲食店経営者は全国でも増えている。そんな中で「見回り隊の目的が分からない……」と話すのは大阪市内の商店街にある飲食店の従業員。
「うちの店では酒類の提供はなくしランチ、定食のみのの営業をしているのですが、商店街の中には堂々と『お酒飲めます』と謳っている飲食店が少なからずあります。そのせいなのか、店前でお弁当を売っていると『ここ、お酒飲めるんですか~?』とニヤニヤしながら近づいてくる人がいて、見回り隊なのか報道番組のテレビクルーなのかよく分からないんですよね。
『うちはお酒は出してないですね~』と答えると『あっちの店はお酒出してますよね?』とニヤニヤしながら聞いてくるんです。同じ商店街同士でチクるのも気まずいし『ちょっと分からないですね』と受け流しましたが……。見回り隊なのか知らないけれど聞くならコソコソせずに直接行け!、と思いましたね……」
見回り隊と知り合いだからOKと豪語するガールズバー
休業時短営業に加えて世間からの厳しい監視。ストレスは溜まる一方だと語る飲食店従業員も多い中、大阪市内にあるガールズバーの店員からはこんな声も……。
「うちの店は普通にお酒を出して通常営業をしていますが、見回り隊が来たことは1度もないですね。キャッチ中に見回り隊に会ったことはあるのですが、スルーされます。
どうやら、店のオーナーが見回り隊と知り合いで黙認されているという話を聞きました。見回り隊をやっている人が店に飲みに来たこともありますね(笑)」
大阪府に真意を問いただしてみた
これは一体、どういうことなのか? 飲食店に対して見回り調査を実施している大阪府の『危機管理室災害対策課』に電話をして真意を問いただしてみたところ、たどたどしい口ぶりでこのような答えが返ってきた。
「……私達のほうでは『営業している飲食店を黙認する』という報告はないと認識しております。仮にもしその発言が真実だとしましたら、我々の責任としてそのようなことはないように指導していきたいと思います。府民の皆様からは見回り隊のバイト求人について、ご指摘された件もございますので……。今後、そのようなことはあってはならないと我々も履行していく次第であります」
事実なのかは確認できなかったが、口ぶりからして恐らく同じような電話は何件かかかってきているようにも感じた。それよりも、「サクッと稼げるオイシイ仕事」の炎上は自覚があったんかい!と、思ったのはさておき……。
要請に従わない飲食店を吊るし上げる吉村知事と「知り合いだから見回り隊が入らない」と豪語するガールズバー店員(あくまで噂だが)、見回り隊や吉村知事に対して怒りを超えて呆れる大阪府民。それぞれの意見が一致していないことは間違いないだろう。
〈取材・文/日刊SPA!編集部〉