改憲の火付け人<本澤二郎の「日本の風景」(4108)

<天下の悪法・国民投票法は衆院事務局の職員の起草だった!?>より、転載させて頂きました。

 菅内閣の最悪の実績は、平和憲法をぶち壊すための国民投票法を成立させたことである。平和国民は、正真正銘の正念場を迎えてしまったことになる。犯人は、神道政治連盟の極右・安倍晋三の野望に手を貸した自民公明+野党第一党の立憲民主党である。

 

 もはや真っ当な政党は、日本共産党のみということになるのだが、しかし、同党が政治の主役に昇ることは、この国では悲しいことに100%ない。国民投票法が、背後で操る売国奴(財閥と電通)による、右翼の出鱈目な宣伝に惑わされるため、世界に冠たる平和憲法は、間違いなく崖っぷちに突き落とされてしまったことになる。

 コロナ禍の最悪の政治的危機なのだが、そして重大なことは、そのことを国民が全く理解していない点である。

 

 日本一新の会という初めてお目にかかった平野貞夫代表が「国民投票法の提起人は私だ」と自慢げに活字にした。そのコピーを山本太郎支援者が、自宅に郵送してくれた。

 

 毎度驚かされる日本の真相に、ついていくのが大変だが、二度と戦争させない、繰り返さないと世界に公約してきた平和憲法を、足元から突き崩す火付け人の自慢話には反吐が出る。

 

 全体の奉仕者のはずの衆院事務局の職員が、結果論からすると、安倍や財閥・日本会議の黒子だったことになろう。

 

<人間は裏切り・裏切りながら階段を昇っていく愚かな動物か>

 いま世界恐慌とコロナの襲来で人類は危機を迎えている。その中で日本は、人間の命を犠牲にする、金儲けのための、電通仕掛けの東京五輪強行策に対して、国内どころか国際世論も激しく燃え盛っている。

 狂った菅義偉の暴走は、五輪でも貫徹している!

 

 一個の人間にとって、それらは政治不信から、人間不信の固まりとなる。誰を信用してよいのか、人々の心理は、台風下の高波のように振幅している。

 悪徳が開花する社会は、詐欺師が横行している社会でもある。買い物一つとっても、慎重さが求められる。日々怪しげな電話がかかってくる。

 中国語でいう「無法無天」の世の中である。昨夜は知り合いの、か弱き女性に対して「警報ブザー」を首にかけておくこと、と強く注意を喚起したばかりである。

 

 ともかく出鱈目・詐欺が横行する社会では、8割以上の国民が五輪反対を叫んでいても、突然5割以上の五輪賛成という世論調査?が飛び出す。何もかもが、いい加減なのだ。よほど慎重に身構えないと、振り回されるだけである。しかも、改憲反対のはずだった野党までが、悪法成立に手を貸す、そんな政治が目の前で演じられている。国会も、世論を欺くゲームを演じている。

 

 政治的無関心層は、6割以上ではないだろうか。

 一群の政治屋と財閥は、国民・有権者を欺き、裏切りながら、階段を上って、それらが血税をいいように懐に入れている。正義が廃れ、悪党がはびこる日本社会では、日本学術会議もおかしなフクシマに寄り添えない者も少なくないことを知った。時には正義派を刑事告訴する輩も出てくる。

 

 典型的な事例の一つは、政府自民党にしがみついている公明党創価学会であるが、そこでは池田大作の理念は消え去って、驚くなかれ極右の日本会議の安倍に屈して、全く恥じない。「太田ショウコウ以下公明党も、創価学会執行部も、莫大な秘密口座に取りつかれて、真面目な信者を裏切っている」という指摘は、的外れではあるまい。結果、国民・有権者の怒りを買って、自業自得であろう沈没の速度を早めている。

 

 「国税の出番」は、中曽根康弘の遺産だけではあるまい。鬼滅の刃は、ナベツネや安倍らに対しても、正義が必ず貫かれる時が来るだろう。

 

<清和会・三塚博のゴーストライターの時、一度出会った平野貞夫>

 筆者が東京タイムズ政治部長だったころ、一度だけ平野と会っている。彼が400字詰めの分厚い原稿を持参してきた。三塚博議運委員長のゴーストライター原稿だった、と記憶している。

 

 当時、徳間書店社長兼東京タイムズ社長の、徳間康快に渡して欲しい、ということだったと記憶している。三塚は安倍晋太郎から清和会を引き継いだ人物で、概して性格は明るく、新聞記者には、日ごろから微笑を絶やすことはなかった。その後に政界に転じたことを知った。今は小沢一郎のブレーンで知られているようだ。

 

<前尾繁三郎の護憲政治を捨て、後継者・宮澤喜一に盾突く暴走?>

 衆院事務局をよく知らないが、平野が仕事を通して、議会の駆け引きや関連法に詳しくなり、不勉強な政治家の便利屋の地位を占めても不思議なことではなかった。三塚や小沢や公明党だけでもなかったろう。

 

 彼の経歴を見ると、前尾繁三郎衆院議長の秘書もした、とある。前尾は宏池会二代会長で、宮澤喜一の後見人で、護憲リベラルの政治家だった。学識豊かな政治家として、何度も岸信介の弟の佐藤栄作打倒に奮戦したが、根はまじめ過ぎた性格が、生き馬の目を抜く政界抗争では、マイナスに出て大平正芳と交代した。

 

 現在の岸田文雄は、この前尾の対応とよく似ていて、馬力が小さく支持者の期待を裏切ってきた。ここにきてようやく芽を出してきた。それは安倍犯罪の核心である河井夫妻1・5億円の使途解明を、宏池会会長・自民党広島県連会長として、幹事長の二階に突き付けた。安倍をひどく狼狽させている。二階が前に進み、岸田の配下である上川陽子法相の対応いかんで、林検察も活発に動き出すと、安倍逮捕も現実になるだろう。岸田・二階に連動して、上川・林検察の動向が要注意だ。

 

 五輪関連で宏池会の元閣僚が「先の大戦そっくり」と菅をなじって、世論の話題に踊りだした。菅と安倍が追い詰められる今である。

 

 横道に反れてしまったが、平野は幸運にも前尾を近くで見た。護憲の大事さを悟ったはずだったが、その実、極右の改憲派に塩を贈る国民投票法へと突っ込んでいく。

 そのことを小沢一郎にも、菅直人の民主党にも売り込んでいた、と吹聴している。宮澤内閣でもそのことで、護憲リベラルの宮澤に議会で質問していた、というのである。

 

 護憲リベラルの宮澤首相から「そんなことをすると9条に火が付く。大変なことになる」と逆にたしなめられても、議会事務局職員は自身の手柄に迷い込んだらしく、聞き耳を持たなかったらしい。そういえば、彼は高知県の出身だ。平和憲法は、同じく高知県出身の吉田茂の手によって、全会一致して成立を見て施行した、日本唯一の大きな政治的遺産でもあるが、平野は吉田の実績を覆すことで、何がしかの手柄を立てようと思いつめていたのか。

 

 日本を戦争国家にして、再び若者の命を奪うという、財閥と日本会議に貢献しようとしたものか。不可解千万である。

 

 人間の本心が、くるくる変化することが常態化すると、この世は真っ暗闇となろう。信念のある国際政治家・平和軍縮派の宇都宮徳馬や、右翼に狙われても、信念を曲げない翻訳家・反原発ジャーナリストの竹野内真理のような人物が、活躍できる磁場を用意する日本にさせたい。この国をおしまいにさせてはならないのだから。

 

 悪しき権力に屈する政治屋・言論人・警察・判事ばかりの日本はいらない。愚者が賢者と思い込む社会も不要である。いい人間、国民の命と健康を守る為政者が、登場する時代である。安倍と菅は退場させる必要があろう。

2021年6月8日記(東芝不買運動の会代表・政治評論家・日本記者クラブ会員)