清和会の牙城<本澤二郎の「日本の風景」(4536)

<改憲軍拡極右の象徴・靖国神社と統一教会国際勝共連合>

 安倍晋三の強固な支持基盤は、二つのカルト教団であることが、はっきりしたようだが、安倍後継者を狙う8・15靖国参拝派は、前日の一番手・西村康稔経産相に次いで、こわもての萩生田光一自民政調会長、ついで極右女と初めて知る秋葉賢也、そして靖国参拝で有名になった小泉純一郎の倅の進次郎。

 当面は西村と萩生田と極右女の争いが注目を集める。ダークホースは官房長官の松野博一のどんぐりの背比べ。もちろんのことで、靖国参拝は憲法20条の政教分離違反の確信犯であろう。法律家ならだれでも知っている。

 

 昨日、初めて知ったことは、清和会創立者の福田赳夫の娘婿・越智道雄も統一教会派の有力メンバーだった。前から指摘してたことだが、公安ファイルに記録されているようだ。野党は国政調査権を活用して、公安調査庁関係者や資料から、過去の様子を割り出すことが出来る。大いに活用すべきだ。

 安倍に次ぐ第二のドジョウは、神道政治連盟と統一教会国際勝共連合の二つのカルト教団と結びついて、金と票を手にする必要がある。安倍の場合は、祖父の岸信介と父晋太郎を経由する過程での実績が存在した。

 その点でみると、二匹目のドジョウは見つけられないだろう。

 

 戦前の国家神道を引きずる靖国は、敗戦後に一宗教法人に沈下した。それでも改憲軍拡極右の象徴となって久しい。森喜朗・小泉純一郎・安倍が特段参拝にこだわった理由である。公人の特定宗教参拝は憲法20条で禁じられている。政教分離が国際社会の常識である。

 ましてや靖国には、戦争犯罪者のA級戦犯と植民地侵略戦争に「天皇の軍隊」を強いられて、朝鮮半島や大陸で蛮行の数々を繰り広げた戦死者も祀られた宗教法人である。いうなれば日本カルトの源流だ。敗戦でも総括して排除することが出来なかったカルトが、再び国教を目指している。すなわち、この国の前途を闇にしている原始宗教そのものともいえる。

 戦没者は無宗教の施設が不可欠で、その候補地は千鳥ヶ淵墓苑であろう。ワシントンにリベラルな政府が誕生すると、真珠湾と共に靖国は非難の対象となる運命にある。

 

<韓国と中国の政府が怒りの抗議=ワシントンは冷ややか>

 さっそく韓国政府と中国政府が、靖国参拝にこだわる日本政府に怒りの抗議をした。靖国が存在する限り、アジア諸国・隣国との友好な関係は実現できない。勢い台湾にテコ入れしてきた安倍内閣に対して、14億人の中国の怒りは、日本製品の不買運動へと発展する。

 筆者は、その中国人の心情を「中国の大警告」(データハウス)にまとめた。即座に中国社会科学出版社が翻訳したので、盧溝橋の抗日戦争記念館に100冊贈呈した。首相になる前の小渕恵三は、胡錦濤国家副主席(当時)から「この本を読んでほしい、中国人の思いがわかるだろう」と説得された。以前、盧溝橋の近くを散策した時に、なんと小渕が日中友好林を造成し、市民の憩いの場所になっていた。娘も行くといい。田中角栄は北京市内に1000本の桜を贈呈した。春の名所になっている。

 

 靖国は、清和会の牙城である。そこに文鮮明の統一教会という犯罪教団が加わったわけだから、文字通りカルト派閥そのものである。カルト教団が存続する限り、永田町から極右ストロング・ナショナリストは消滅しない。

 

<松下政経塾の反共神道崇拝民族派も警戒が必要>

 公安調査庁はカルト教団・オウム真理教に対する監視を怠った。背後の安倍父子や石原慎太郎に配慮したからであろうが、その結果、地下鉄サリン事件という無差別殺人を止めることが出来なかった。それ以前に坂本弁護士一家殺人事件捜査さえも。安倍も石原も国賊であろう。

 

 安倍銃殺事件で表面化した統一教会国際勝共連合の犯罪に対して、引き続き宗教法人格を付与し続けるのであろうか。明白な違法カルト教団である。前川元事務次官の証言でも明らかだ。岸田内閣の対応は目下、すっきりしていない。温存するのであれば、さらなる事件を招き寄せるだろう。

 

 そして改めて松下政経塾の反共神道崇拝民族派に目を向けるべきだ。野田佳彦の松下政経塾内閣を俯瞰すれば、フクシマ問題や消費税10%問題、尖閣国有地問題を思い起こす。官房長官と極右女ともう一人いた。茂木派の秋葉復興相である。

 彼が中央大学辞達学会に所属していたとは驚きである。先輩に海部俊樹がいる。弁が立つかわからないが、可能性はある。反共神道崇拝民族派という、ごりごりの右翼議員だ。要警戒か。権力に群がる海千山千の自民党議員には、問題議員が少なくない。国民がゆでガエルだと、いつでも「悪の華」を咲かせようとしている?

 

<敗戦記念日は8月14日、公人の宗教法人参拝は政教分離・憲法違反>

 昨日法律家に教えられたばかりだが、敗戦記念日は8月14日、ポツダム宣言を受諾した、日本敗北の日である。そして野党にも教えたい。公人の宗教法人参拝は、憲法が禁じている。声を上げよ、である。

 

<公費使用の天皇の伊勢神宮参拝も憲法違反>

 ついでに言うと、天皇の神社参拝も違憲である。宮内庁は公費を使った神社参拝を許してはならない。しからば8・15は何の日か。平和憲法を定着させる大事な日である。日本政府は戦争を止めることが、国際社会に対する貢献であろう。ロシアとウクライナに戦争禁止を呼びかけることが、最優先事項である。戦争を止めて物価・原油を安定させることが、喫緊の課題である。

 岸田文雄の覚醒を、繰り返し強く求めたい。

2022年8月16日記(東芝製品不買運動の会代表・政治評論家・日本記者クラブ会員)

 

(追記)風雨に負けずに木槿やサルスベリの花は咲いている。いよいよヘチマの季節で、こちらも黄色い花が美しい。実がなると、これが最高の食材。ただし、花は咲けども、実がならない。原因は雄雌と関係しているらしい。人間も男女が揃っていないと、生活は安定しない。お互いの支い合いは、国際間でも同様であろう。宗教もまたしかりか。