孤軍奮闘<本澤二郎の「日本の風景」(4545)

<郷路征記弁護士がカルト犯罪教団・統一教会を撃破していた!>

 知り合いがすごいニュースをメール送信してきた。既に大問題の統一教会は、日本国憲法の20条違反で判決が確定しているという。念のため、法律家の手も借りて、確認を試みた。自由法曹団の郷路(ごうろ)弁護士が、14年かけての法廷闘争で、一審で勝利、教会側が控訴したが高裁が棄却、さらに教会が最高裁に上告したが、最高裁も棄却していた。1審の判決が確定していた。

 

 驚いた、本当に驚いた。すごい弁護士が札幌にいた。東京の日本弁護士連合会は何をしていたのか。弁護士・郷路征記の孤軍奮闘に対して、カルト犯罪教団は、憲法20条違反で撃墜されていた。それも2003年、いまからおよそ20年前のことである。何ということか、それでも統一教会は日本列島で暴れまくり、不幸な日本人をさらに極貧生活という、幸せとは無縁の地獄の世界に追いやっていたことになる。

 2013年に自公政権の安倍晋三が大将になると、大手を振って国政にも参与しながら、日本乗っ取りを敢行していた。法務検察は、官邸からの指示によって、彼らを退治するどころか、擁護支援していた。自らも統一教会国際勝共連合に癒着していたことになろう。

 

 安倍・自公の化け物国家が、それでも安倍国葬を強行するのであろうか。政治と宗教という、重大深刻な課題に押しつぶされていくのか、それとも国民が、言論界が覚醒するのであろうか。米国・トランプの再選に賭ける統一教会国際勝共連合と、米民主党バイデン政権の死闘の行方とも関係するのかどうか。

 

<最高裁が憲法違反認定=思想信条の自由侵害=統一教会の上告棄却

 それはそれとして、改めて郷路弁護士の孤軍奮闘の戦いに敬意を評したい。たった一人で、相手の背後には岸信介・笹川良一・児玉誉士夫というCIAA級戦犯と、さらに言うと、韓国の朴正熙政権+KCIAという、日韓の反共右翼連合が控えて、悪の華を咲かせた宗教法人である。

 

 岸の戦犯人脈は、その後は実弟の佐藤栄作、ポスト佐藤では岸が支え続けた福田赳夫が頭角を現わす。護憲リベラルの田中・大平連合とほぼ互角の戦いをするようになる。自民党内の半分を抑え込んでいた。森喜朗と小泉純一郎らが、宏池会の加藤紘一を失脚させると、もはや党内に敵なしの安倍の清和会が実現する。

 比例して統一教会は、大手を振って官邸や自民党本部に出入りするようになっていた、と推認できるだろう。右翼片肺政権とは、統一教会に侵蝕された自民党そのものだった。

 だが、統一教会にむしばまれ、廃人のようにのた打ち回る脱会した信者にじっくりと耳を傾けた郷路は、宗教団体を隠して勧誘する、一端入会すると、宗教的離脱を困難にさせる「教育課程」なるマインドコントロールの実態を暴いた。

これら教会の勧誘手口は、憲法が国民に保障した「思想信条の自由」の明白な侵害である。

 札幌地裁判決に最高裁も容認する決定をした。郷路の命がけの戦いは、14年の歳月をかけて、見事に勝ち取ったのだ。統一教会は違法な団体、正真正銘のカルト教団であると、司法が判断していた。

 

<目を覚ませ!恐怖無し=マインドコントロールは溶けて消える>

 昨日は京都で神社への自治会費強要の憲法違反の訴えを紹介すると、ここにもすごい反響が出ている。神道こそがカルト教団の一番手、二番手が創価学会と統一教会との指摘も浮上している。

 政治と宗教が一致すると、そこにおいては平和とは真逆の抗争が生まれる。ウクライナ・ロシアの戦争にも宗教が絡んでいて、戦争は簡単に止まらない。泥沼が待ち構えている。人類は歴史の教訓として「政教分離」を確立したのだが、日本は依然として「国家神道」が名前を変えて政権与党の金と票を提供して、政策に関与してきている。同じく統一教会が安倍時代に暴走していた。

21世紀の今日、いまだ政教分離に成功しない日本の前途は極めて危うい。

 

 カルト教団の特徴は、信者の内心を拘束して脱会を許さない点である。その仕組みを郷路弁護士は暴いた。「マインドコントロールから抜け出せる」と叫んでいる。安倍銃撃事件の容疑者の母親も脱会は可能なのだ。

 問題は、憲法が違法と決定した判断を法務検察は、堂々と捜索して違法教団を解散させることが喫緊の課題である。岸田文雄も教会にどっぷりつかっていたことが判明した。急ぎ政権を野党に渡して、選挙管理内閣を立ち上げることが大事な政治責任である。以下に郷路弁護士の最新講演を朝日デジタルが公開していたので、貼り付けることにした。

https://www.satsuben.or.jp/search/profile.php?h_kana=%E3%82%8F&h_back_url=/search/list.php&h_member_id=12373

 

<郷路弁護士の講演内容の一部=8月23日朝日デジタル>

郷路弁護士によると、教団による布教活動は組織的で、金銭的に余裕があって信心深い人を狙い定め、不幸の原因が家系にあるなどとして、家系を学ぶセミナーに勧誘するという。郷路弁護士は「教団の勧誘であることを隠し、本人の知らぬ間に信仰心を植え付ける点に法的な問題がある」と述べた。  安倍晋三元首相の銃撃事件で現行犯逮捕され、殺人容疑で送検された山上徹也容疑者の母親は入信していた。郷路弁護士は「山上容疑者の母親は信教の自由を侵害されていた。正体を隠した伝道活動が禁じられていれば、悲劇は起こらなかった」と指摘。個人が信教を自主的に選択する自由意思を守るため、宗教団体の正体を隠した布教活動を規制する必要性を訴えた。  郷路弁護士は元信者らが教団に対し損害賠償を求めた訴訟で原告代理人を務めてきた。2012年には札幌地裁で、教団の布教活動の違法性が認められ、教団に対し元信者ら56人へ計約27800万円を支払うよう命じる判決を勝ち取った。

2022年8月25日記(政治評論家)

(追記)昨日、ペンの盟友・長沼節夫さんの「ジャーナリストに生きる」(南信州新聞社)が届いた。改めて紹介したい。世界は気候変動にうろたえていながら、それでも戦争に狂奔している。愚かな人間は変わっていない。死の商人は消えない。それでも地球は回転し、季節は変わる。秋めいてきた。蝉が必死で止めようとして泣き叫んでいる。間もなく夏が恋しくなるのだろう。菜園のミニトマトも終わりに近付いてきた。そろそろ大根の種をまくころという。年中、政界の不条理とドブさらいの行方にイライラさせられる。首相の信頼がない。国民は常に悲劇が付きまとうものか。