京都市が市営バスの非常事態宣言

 2024年は関西各地で路線バスの廃止や減便が相次いだ。ドライバー不足が深刻さを増したためで、バス路線はこの先どこまで縮小していくのだろうか。東京からの新幹線や大阪からの新快速が着くたびに、バス待ちの長い列が生まれる。バスが来ても乗車できるのは、列に並ぶ人の半分以下。暮れも押し詰まった京都市下京区の京都駅烏丸口。東山区の清水方面へ向かう市営バス乗り場はインバウンドでごった返し、長い列が絶え間なく続く。

 手っ取り早い解消法は増便だが、京都市交通局には思うように増便できない苦しい事情がある。ドライバー不足が深刻さを増していることだ。市交通局は6月の観光特急バス新設など苦しい事情をやり繰りして対応してきたが、やり繰りは限界に近づきつつある。9月にはドライバー不足の非常事態を宣言し、緊急の募集に踏み切った。

 現行ダイヤに必要なドライバーの不足数は9月時点で約50人。10〜11月の緊急募集では80人近い人に採用通知を出したが、大半が大型二種免許未取得者。免許を取得して戦力になるのは夏ごろという。市交通局は

「過去の採用辞退数を考えると、新たに加わるのはざっと50〜60人。それまでに大量退職があれば路線維持が難しい」

と頭を抱える。

 京都市を走る民間のバス会社も状況は同じだ。京都バスが3月、市内全域で減便したのをはじめ、

・京阪バス
・阪急バス
・京阪京都交通
・京北ふるさとバス

が運休や減便、始発便の繰り下げ、最終便の繰り上げに踏み切っている。

在りし日