麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

うつろわぬ愛

2007年08月02日 | 鑑賞
 一昨日書いた円と同様、日曜(29日)まで上演された『うつろわぬ愛』(原案/アントン・チェーホフ 脚色/ロミュラス・リニー 翻訳/沼澤洽冶 演出/ジョン・ディロン。7/25~29。紀伊國屋サザンシアター)は、新生昴の栄えある第一回公演でした。

 まず「幕開けにこのレパ?」と思ったのは僕だけではないだろう…。

 大変良質な作品で、社会に対する警鐘を、決して声高ではなく、上品に訴えるというあたりは、昴を見事に継承していると言えるが(*一応ケイショウをかけてます)、それにしても救いのない話なのだ。

 いや、劇中で賛美歌が歌われるように“神の加護”がベースにあるので、観る人が見ると、心が浄化されるのかも、なのだが、僕のような不信心者には・・・。

 おっと。観ていない人がおいてきぼりですネ。

 1921年のアメリカ。禁酒法の時代。
 ノースカロライナ州アパラチア山麓の田舎町。よろず屋経営で繁盛しているピットマン家。主のベンジャミン(西本裕行)の75歳の誕生日から舞台は始まる。
 百姓の傍ら家族コーラスで生計を立てる貧しいマズグローヴ家(宮本充、朝倉佐知、上領幸子)の歌が響く中、年の離れた妻・バーバラ(久保田民絵)や次男エイブリー(奥田隆仁)とその年上女房・リーナ(米倉紀之子)が祝っている。
 あとは跡継ぎ問題を残すのみで、一家の期待は長男シェルビー(鳥畑洋人)に集まる。その彼が見つけた結婚相手はマズグローヴ家の娘ジュディ(上領/前述)。
 そして、ジュディに待望の赤ん坊が生まれる。
 順風満帆に思えたが、シェルビーは偽金を掴まされ、一家は窮地に立つ。
 一方、リーナは不動産屋のクラッチ(田中正彦)、地主のオーツ(遠藤純一)を巻き込んだ金儲けを案じ、家族と衝突する。
 その騒動の中、憤怒したリーナは、ジュディの赤ん坊に熱湯をかけて死に至らしめる……。

 と、あらすじだけ書くと救いがないでしょ?
 しつこいようだが、芝居は良い芝居でしたのよ。

 で。この悪女を演じた米倉は、これまで鋭いシュートを中心に切れで勝負してきた女優というイメージだが、キャリアを積む中で体重を乗せた重いストレートを会得。今回はマウンドにどっしり構えた野太い投球で、ゲームに厚みを出すことに成功したと言える。
 『オセロー』のイアーゴ吉見のクレバーな悪役とは対照的な、ドスの効いた悪女っぷりだった。。。
 古い例えで恐縮だが、前者が平松政次(1947年~。66年大洋〔現横浜〕-84年)、後者が東尾修(1950年生~。68年西鉄〔現西武〕-88年)みたいな・・・。
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八月一日、晴

2007年08月01日 | 東演
 8月1日、晴

 気がつけば、梅雨明けもせずに8月になり、世は「夏休みド真ん中」。
 僕の通勤路線のひとつ小田急線も“海を目指す”若者や家族連れが増えてきた…。
夏休みといえば、絵日記。
 表題のような日時と天気から始まるそれは、おでかけとかあればいいけれど、40日近くの連載(?)は、子供にとってはタフな作業だった…。
 まだ純真だったけど、例えば同じ日に「面白いこと」があった場合・・・日中は幼なじみのじっちゃん達とチャリでガムテープ工場に遊びに行き、夜は町内の盆踊りで大好きなゆきちゃんと一緒に踊る・・・片方を一日ずらすズルを覚えたのが、もしや絵日記か…。

 悪に大小がないとすれば、バンソコウ大臣のことを言えない???
 いや、そこはビシッと追求していこう
 さて。表題の「八月一日 晴」を、「ほづみ はる」と読ませて、ペンネームにしていた時期がある。
 大学の時、文芸同人誌を作っていて、仲間を騙して始めたものの、原稿が足らずに、一人で複数の作品を出した時のことだ。つまりほかにも随分あって、でも、もうほとんど忘れた。。。

 「安笠栗介(あがさくりすけ)」は、高校の時友達の曲に詞をつけていた時の、今思えば恥ずかしいペンネーム。尊敬する推理小説の巨匠の名をモジったものダ。

 そんなこたあ、どーでも良い。

 芸能人といえば、芸名が当たり前。けれども舞台人は本名が多く、東演もご多分に漏れない。
 結婚で本名が夫の姓(または妻の姓)になって役者名が旧姓だとか、本名のままだが、読み方が特殊なので簡単に読める方にする、あるいは同じ読みだが漢字を変える・・・などはあるが本名/鈴木正子→芸名/綾小路バーバラ麗華みたいな“いかにもな芸名”はいない。
 まあ、例としてはお粗末で、それじゃ芸人みたいで、とても舞台俳優ってテイをなさない…

 あ。制作部長の横川功が、実は芸名である。昔役者だった頃の名残りで。
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