麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

中野誠也の夜のあとの朝

2018年12月16日 | 俳優座
《俳優伝説第一弾/中野誠也》は
・・・俳優座LABO公演vol.36
『女と男とシェイクスピア』
昨日マチネ終演後から準備に入り
五階稽古場にて18:30開幕。

俳優座の千田是也演出や、
民藝・滝沢修、文学座・芥川也寸志
ら名優たちと出会い、演劇の道へ…。
45倍の難関をくぐり俳優座10期に。
シェイクスピアをはじめ
洋の東西を跨いだ数々の作品を生きた
・・・半生が語られました。

昨日のブログには中野誠也の
オフィシャルな履歴を簡単に。
けれど個人的には、
やっぱり『ふぞろいの林檎たち』。
中野は大企業の部長・土屋を演じた。
時任三郎演じる三流大学生が、
警備のバイトで夜間のオフィス巡回。
自殺を決意していた土屋を翻意させ、
それを縁に中井貴一と柳沢慎吾も
揃って「三友商事」に入る……。

サザンの『いとしのエリー』を
オープニングに使った伝説のドラマ。
脚本は山田太一。この繋がりからか、
のちに俳優座に傑作戯曲を書き下ろす。

1998年初演『黄昏色の夕暮れ』
(以後、全国を巡演)。
そこでも中野誠也はエリートの
花岡雅之を重厚に演じた。



基本的には後援会会員限定の
クロージング企画でしたが、
関係者(音楽家など)、座員も
参加して傾聴いたしました。

明けて本日。
12月16日は『女と男と~』千秋楽。
今日も完売御礼でございます。






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中野誠也の夜

2018年12月15日 | 制作公演関連
俳優座LABO公演vol.36
『女と男とシェイクスピア』は
おかげさまで満員御礼続きで
上演も今日をいれて残り二回。

そんな公演のさなか。
本日は、昼の芝居ののちに、
《俳優伝説第一弾/中野誠也》
を開催いたします。
これはアフタートークのような
作品に連動した企画ではなく、
俳優座の後援会会員さま限定の
スペシャルなイベントとなります。

運営も、劇団制作部ではなく、
後援会委員の企画立案。

実はLABO公演も「LABO委員会」の
仕切りなのですが……先月、
制作部に二人が加わり、まもなく
二人が去る転換期なので研修を兼ね、
制作部が前面に立っている、
ように見えているだけで……
委員会の頑張りが連日の完売にも
一役買っていることを述べておきます。

創立74年。総勢100名超。
様々な部署があり、団体名のとおり
「俳優」の集う劇団。もちろん、
役者だけでは芝居は成り立たないので
演出部、舞台部、そして制作部もあり、
さらに映画放送に総務と経理から成り
民主的運営で多くのことが動いています。

まぁ正確にいえば「動いている、
らしいっす(^_^;)」としか言えない
状況だったりするんだけれど。



なかのせいや
1938年 9月16日、千葉県生まれ
早稲田大学~俳優座養成所10期
1961年入団。

◇おもな出演作品◇

劇団俳優座
『しまいこんでいた歌』03年
『タルチュフ』04年
『喜多川歌麿女絵草紙』06年
『リビエールの夏の祭り』07年
『赤ひげ』08年、『どん底』09年
『リア王』11年、『巨人伝説』15年
『病は気から』16年ほか多数

外部出演
『ヴェニスの商人』『冬物語』
(以上、日欧舞台芸術交流会)
『美しきものの伝説』新国立劇場
『ちいさな歳月』ル・テアトル銀座
『殺しのリハーサル』ピュアーマリー

◆受賞◆
2002年度読売演劇大賞優秀男優賞
『ヴェニスの商人』シャイロック役

さて、どんな会になるのかしら?

来年には第二弾、三弾も企画…
されていると聞いています。
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女と男とシェ……の〈三学期〉

2018年12月14日 | 俳優座
三学期。
クラスとしてのまとまりも出来て、
大きな行事もほぼ終わり、
余裕のある時期と言えるだろう…。

上級生ともなると受験云々で、
ピリピリがあるのかもしれない。
反対に・・・
バレンタインとホワイトデーの
「恋の学期」でもある



俳優座LABO公演vol.36
『女と男とシェイクスピア』
(作/D・ウイリアムソン、
翻訳/佐和田敬司、演出/森一)

繰り返し紹介してきたように、
本作は家父長制イデオロギー、
ポストコロニアルやジェンダー
などなどアカデミックな内容が
前面に出ているのだけれど。


学生が抱く大学講師へのほのかな恋心、
同世代の恋の駆け引きやすれ違いも
劇中には散りばめられているのだ。

お陰様で、お客様にはそのあたりも
大いに楽しんでいただいている。
そして、反応から学ぶことが沢山。
客席からの笑いや涙をエネルギーに
芝居はさらに進化を続けています。

そんなこんなを含めて。
全九回の終盤三回は「三学期」。
一年のまとめの時期よろしく、
作品としての成熟の時間である。

そしてまた、別れの近づく切なさも。
この座組での創造活動の
カウントダウンが始まった。
芝居創りにおいて(いや芝居以外も)
始まりがあって終わりがある……。


上は、だいぶん始めの頃。
下北沢の「観劇三昧」にお邪魔した
椎名慧都、宣伝の写真。

下は、その慧都画伯作成の
劇中で配布するプリントです。



ややネタばれですね
末筆ながら。
本日、そして明日あさってと
有り難いことに全回ソールドアウト。

ありがとうございます

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あなたの御名前なんてぇの

2018年12月13日 | 身辺雑記
あなたのおなまえなんてーの?

視聴者参加の歌番組でトニー谷が
軽快なリズムとともに、出場者の
名を聞いたフレーズで、一世風靡。
遠い昔のことだけれど、語り継がれて、
当事を知らずとも多くの日本人が
「あなたのお名前なんてえの?」
と、歌えるはずである。



山手線の新駅の名称が発表されて
一週間ほどになるかしらん。
「高輪ゲートウェイ」。
2020年に暫定開業する30番目の
「おなまえ」は、ある調査によれば
反対が90%超え。
ついに反対署名が始まり、
その数は早くも15000オーバーとか。

ひとえに山手線だからだろう。
他の路線であれば「何それ」とか
「変な名前だね」と声は出ても
ここまでの「事件」にはならなかった。

JR東日本が、国鉄分割民営化の際に、
それまで慣れ親しまれた「国電」の
かわりに発表したのが「E電」。
「イーでん」と読ませるのだが、
まったく定着しなかった前科がある。

この時も公募を行い、E電は20位。
「新駅」も15位だった由
前回は愛称だったから、まだいいが
今回は正式名称だからな~



と。ここで僕だったら……って
提案をするわけではない。

〈山手線だから〉から学ぶというか、
我々演劇界も、劇団やカンパニーに
目には見えない色があって、
そこを外さずに、かつ居座りもせず、
チャレンジもしなきゃなわけで……。

では果たして、そのミッションは
クリアされているのか?と。
今回の「騒動」を揶揄して笑うのは
容易い。けれど我が胸に手を当て、
考えてみなきゃな。そう思った。

奇しくも只今公演中なのは、
「俳優座LABO」と銘打った
文字通り「実験室」として
伝統のあるナンバー公演とは
一線を画したレパートリー、
斬新な演出、或いは大胆な配役
などなどを標榜した芝居。
その36本目なわけである。

世間を騒がすニュースから
手前の仕事にレールのポイントを
一気に切り替えてはみたものの……。
まだ籍を置いて43日、いわば
ゲートウェイをくぐったばかり。
大きなことは言えません。
ただ。
芸と飢え・・・芝居道に貪欲に、
これまで以上に精進しちゃお!
と、小さく呟いてみる。

あなたのおなまえなんてえの?
「劇団俳優座演劇制作部
高橋俊也でございます」と
肚の底から答えられるように……。
少なくとも。
高輪ゲートウェイ開業の頃には。
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女と男とシェ……の〈二学期〉

2018年12月12日 | 俳優座
俳優座LABO公演vol.36
『女と男とシェイクスピア』
全九回の、今日は五ステージ目。
いわゆる仲日に当たります。

また本日はバックステージツアーと
当初、謳っておりましたが、
劇空間にコの字型の客席を組み、
演技エリアを三方から観るかたちで
アトリエいっぱいに使っており、
仕掛などを舞台監督や役者が説明する
従来のバックステージツアーは不可能。

したがって舞台美術の加藤ちか氏、
演出の森一がトークする中で、
「なぜこのスタイルになったのか」
「セットと作品テーマの連関」等
浮き彫りになれば……という
〈バックステージトーキング〉に変更。

明日は翻訳の佐和田敬司氏を迎え、
こちらは予定通りのアフタートーク。

行事が盛り沢山の、まさに「二学期」。

二学期といえば楽しい愉しい夏休みを
満喫したのちにやって来て、
まだまだ暑いわけですが……
実際、日本列島は寒波に包まれ、
ここ数日極端な寒さだ。
冬だもの、寒くていいのだけれど、
暖冬からのジェットコースターな
いきなりの低温に、体が参ります。

おっと
『女と男とシェイクスピア』の話。
オーストラリアの問題を照らす
アカデミックな作品ながらも
普遍的な家父長制やジェンダーも
大きなテーマの舞台なので、
(昨日の弊ブログに感想の一部を
少しだけ掲載したように)
多くの共感を頂いております。

あ。季節でいえば。
まさに南半球の豪州は、いま夏。
カンガルーにコアラ、クロコダイル
・・・オーストラリアの風を
後半もお届けいたします。



ただ。14日(金)、千秋楽に若干の
お席を残すのみで、お陰様で他は完売。
お求めまだの方はお早めに……。


※豪国をイメージさせる動物は
本編には登場しません。
……あ、台詞では出てくるなぁ。

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女と男とシェ……の〈一学期〉

2018年12月11日 | 俳優座
俳優座LABO公演vol.36
『女と男とシェイクスピア』
幕開きの12月8日、どこぞでデモ。
そのため建設中の麻布警察署の、
前あたりからズラリ警察車両が並び、
交通規制・・・結果、ちょうど
俳優座劇場横の細い路地が迂回路に。
中には大きな音を出す四輪、二輪が
「なんで真っ直ぐ行けねーんだ」的に
クラクションやエンジンを唸らす。

本当に勘弁してほしい((T_T))
アトリエ公演は厚い壁に囲まれた
劇場と違い、五階の稽古場だ。
その他にも。
映像の不具合が開演前に起き、
その流れで会場設営も遅れ……
初日ならではのアクシデントを
スタッフはじめ劇団員の力を合わせ、
乗り越えて、気づけば全公演の
三分の一を消化した。
大学を主たる舞台にするため
〈開講〉と8日に書いたが、
その流れで言えば一学期修了だ。



通信簿がわりにアンケートの声を
幾つか拾って紹介します・・・

人生をブラッシュアップさせられた。

おもちゃ箱から次々に光るものが
 出てくるような素敵な芝居でした。

シェイクスピアが好きになりました。

現代社会の矛盾・課題・問題が
 シェイクスピア作品と絡めて
 存分に語られていました。

会場と一体感のある演出と照明が
 素晴らしかった。拍手を送ります。

色んな形の愛を感じました。

90歳の中村たつの年齢を感じさせない
演技への賛美はあまりに多く、
また若手の健闘を称える声も少なくない
が、そのあたりはあえて控えます。

さあ、中盤へ。
お客様を交えた「芝居」から
戴いた発見をプラスして加速します。
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J1死守とかKYとか。

2018年12月10日 | スポーツ
昨日は
ウインタースポーツについて
ウダウダと綴り散らかしたのだが。

その流れでサッカーの雑文。

まずは我がジュビロが辛うじて
J2降格を免れた件から。

史上空前の「降格」に絡む乱戦で、
最終節、磐田は引き分けでも残留と
可能性としては低い位置にいたのだが、
相手はリーグ連覇を為した王者・川崎。
「簡単ではなかった」。

少し話は逸れるが・・・
「簡単ではない」「しっかり準備」
などはサッカー界でよく使われ、
他のスポーツにも伝播したフレーズ
って印象だなぁ、と。
へたな流行語より、地味だけれど、
確実に根付いた「新語」では?
と個人的には思っている。



さて。
J2の優勝と2位は自動昇格。
3位以下がトーナメントで当たり、
磐田(J1の16位)とぶつかる
昇格プレーオフトーナメント。

勝ち上がったのは6位の東京V。
選手やスタッフには敬意を払うが、
別の次元で「ほんと読売はKYだな」
と。(いまやKYは「死語」か?
……それはともかく
野球ではなりふり構わず人を買い、
サッカーでは無駄に勝ち上がった。

昇格プレーオフにおいて、
5位大宮に勝ったのはいい。
キングカズvs古巣ヴェルディは
サッカー好きのみならず、
興味を抱くゲームだ。
ただ、そこで勝っちゃ駄目。

3位の横浜FCに軍配があがって
三浦知良と名波浩、中村俊輔が
同じスタジアムに集う。
それを多くの者が望んだはずだ。

    

結果、ドリームマッチならず。
ヴェルディにサックスブルーは
2-0で快勝! 来季もJ1で闘う。

てな感じで、リーグ戦は終結。
と。
その翌週には早くも「天皇杯」の
決勝が・・・元旦じゃなくあって。
浦和レッズ、7度目の戴冠

会場は埼玉スタジアム2002。
若干フェアじゃない感も、
なくはないけれど・・・素直に
おめでとうございます

お正月のほーが盛り上がるけど、
アジア杯を見据えた前倒し。

ちなみにジュビロ。
天皇杯ではベスト8まで。
来年はさらに上を目指します!
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42195と4981

2018年12月09日 | スポーツ
本日は、さいたま国際マラソン。

  

題名は口座番号と暗証番号みたいだが、
マラソンの距離42.195km(前者)と
弊ブログの開設からの日数(後者)。

で、まずはマラソンから

第4回さいたま国際マラソンは、
「ドーハ2019世界陸上競技選手権
日本代表選手選考競技会」と
「МGCシリーズ2018-2019
東京2020オリンピック日本代表
選手選考競技会」を兼ねた戦い。

МGCは略称で「マラソングランド
チャンピオンシップ」のことである。
幾つかの大会で規定をクリアした
ランナーが結集して、五輪代表を
一発勝負で決める
(一発と云いつつ、決定は三分の二、
最後の一席はファイナルチャレンジで
決まったりするのです……)
閑話休題。

で「さいたま」の日本人トップは
全体四位・今田麻里絵(岩谷産業)。
タイムは2時間29分35秒。
規定に届かず、МGCは逃した。
残念

男子は・・・さる今月二日開催の
第72回福岡国際マラソンで、
服部勇馬(トヨタ自動車)が
日本勢14年ぶりの優勝を果たし、
見事、MGC切符も掴んでいる。
ちなみに。
全体四位の設楽悠太(ホンダ)が、
日本人では二番目だったので、
東洋大OBのワンツーフィニッシュに
結果的になった。
・・・この流れを「箱根」にも。
頑張れ! 鉄紺!!

闘いは、氷の上でも。
フィギュアのグランプリファイナル
(カナダ・バンクーバー)で
紀平梨花(関大KFSC)が優勝。

浅田真央以来のGPデビュー年の
戴冠なのだそうだが、なんと、
それは2005年……13年も経つ?

紀平は自己ベストを更新して
233.12点での初優勝なのだが、
時の流れに驚いた、わたし

スピードスケートでは、
小平奈諸(相沢病院)が500Mで負け知らず。
三季にわたり国内外で無敗。
連勝は30に。また、1000Mと合わせて
ワールドカップ優勝が20の大台に乗った。

もう少し、騒がれていい気がするが……。
いずれにしろ、ウインタースポーツは
好調な日本である。

おっと。「まずは」の49195で
終わるところだった……。
ブログ始めて4981日で2860本
(途中に休載期間もあるが)
そのうち「スポーツ」は126本、
なんだそーだ。
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女と男とシェ……〈開講〉

2018年12月08日 | 俳優座


俳優座LABO公演vol.36
『女と男とシェイクスピア』は、
河内浩演じるグラントの
大学での講義の場面から始まる。

というわけで。
芝居を航海に例えたりもしますが、
今回は〈開講〉としました。

言い方はなんでも。
ついに、初日が開いたのです。





以上は仕込の様子。



昨日のゲネプロには、多忙な中、
翻訳者の佐和田氏もいらして、
「エネルギッシュ!」と開口一番。

なるほど。
戯曲はとてもアカデミックなのだ。
オーストラリアではスタイリッシュに
上演されたようである。

戯曲の面白さは、台詞が凡て同じでも
演出(舞台美術、照明、音響、衣裳、
等々のスタッフワーク含み)と
役者(配役は勿論、間や声のトーン等)
で、まるで違う「演劇」になる点。

そしてLABO36の中においても
初日から千秋楽に向けて日々、
様々な表情を生み出すはずである。





16日まで。俳優座五階稽古場にて。
……10日(月)も完売となりました。

開演中のロビーの暗闇より。
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クーカンハアク

2018年12月07日 | 身辺雑記
空間把握。

演劇ワークショップの定番で、
自己紹介のあと「では、まず
軽く体を動かしてみましょう」
と、初めに行うのが〈空間把握〉。
ただ普通に歩くことから始まり、
難度をあげていくのだが……。

「え、何これ? 意味なくね?」
と思う人も多いかもしれない。
実は私も(制作なので参加はせず
外から見守るのだが、一等最初の
ウン十年前に…)そう思った口。



朝のラッシュアワー。
地下鉄のホームに降りる階段。
その最上段(つまり改札と同位置の、
階段の始まり)の真ん中に立ち止まり、
正面に掲示された大きな路線図と
スマホを交互に見る若者がいた。

きっと初めて丸ノ内線に乗り、
初めて行く駅へのルートが不安で
悪気なく仁王立ち、とは解した。

しかし、危険この上ない

繰り返すが朝のラッシュ。
常連さんばかりだから、凄い速さで
いつもの便のいつもの車両に一目散。
そして今時は常連さんもスマホ歩き、
の可能性が大なのである。

混み合う人波に抗う若者に
まるで気づかずにぶつかり、
ぶつかられた若者はタタラを踏み、
そこから将棋倒しになることは
決して想像にかたくない。



嗚呼、空間把握は大事だな、と
その時に思ったのである。
思いつつ、彼を避けて降りたが、
優しく注意してあげたら良かったと
思った時には、もう、遅かった。

奔流に逆らい、立ち止まったり、
振り返ろうものなら、瞬間
ドミノ倒しの起点になるのは、
このおっさんになる。

注意といえば。
いや、注意ではないかな?
とにかく以下のようなことがあった。



演劇の宣伝活動の定番のひとつ
「折込」というものがある。

他の公演での配布物に、自公演の
チラシを折り込ませてもらう手段。

そう、基本その作業は自分で行う。
それをビジネスにした賢者もいる。
或いはまた、昔ながらの互助システム。
甲の芝居に乙の分を甲が入れる。
かわりに乙の本番には乙が甲を…。
いわゆる「バーター」だ。

俳優座にメールで、折込の依頼。
よくある話である。ところが、
「お送りしてよろしいでしょうか?
折り込んで頂ければ、弊公演では
貴団のチラシを請け負います」と。

別段、おかしな点はないと、
一般の方は思うかもしれない。
しかし、演劇制作者としては
「ちょ、ちょ、ちょい待て」と
思わずにはおれなかった。

公演前のめっちゃ忙しい中、
出来るだけ砕けた文章で返信をした。
これが幾分、長めであった
取りようによっては嫌味だし、
「面倒くさい大人がいんな、無視無視」
と、流される可能性大だと、
分かった上でエンターキーを叩いた。

そしたら。
素直に折込に来るとメールが来た。
大変嬉しかった。



劇団俳優座LABO公演vol.36
『女と男とシェイクスピア』は
いよいよ明日開幕です

これもまたワクワクするのです。


折込の件、後篇は別途。









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