麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

きんきゅうじたいせんげん、ト、勧進帳

2020年04月07日 | 身辺雑記
いよいよ夜が明けたら・・・
新型コロナウイルスを鑑みた緊急事態宣言を
7都府県に発出すべく具体的な動きが始まる。
しかも、その期間は1カ月程度だと報道。


画数の多い漢字がむっつも並ぶと、
かなりマガマガしいわけだけども。
タイトルのように仮名にすると少し柔らぐ。

おちょくるつもりは微塵もない。
寧ろこの難局、しかも決して短くはない自粛生活を
乗り切るには、肩肘張るのはマイナスだわな~と。
買い占めに走る御仁もいるようだけれど、
粛々と落ち着いて暮らさねば、というスタンス。

ちょいと話が横道に逸れるけれど。
犬にネコと名付けたり、黒い鳥にシロ、
とか、世の中には天邪鬼がいないわけじゃない。
「名は体を表す」の反対で、豪衛門という名前なのに
見た目はひょろりと色白で、箸より重いものは持たず、
インドアな趣味の人がいたりもする。

「緊急事態宣言」にも、そんな面差しが強い。
まるで「緊急」な感がないのだ。
〈重大で即座に対応しなければならないこと〉
が緊急の意味。
今回、確かに「重大」な局面ではあるのだが
「即座」なイメージに欠けているからか……。

御用コメンテーターは、最後のカードだから
運用には慎重さが必要と述べていた。
きっとそれを見聞きした視聴者は
「切札だからこそ良きタイミングで切らないと」
と、テレビの前で突っ込んだことだろう。

さらに言えば。
そうして発動された「切札」なわりに、
これまでの「お願い」より一歩踏み込んだ「お願い」
ってところが、なかなかなに厄介な「切札」だ。


数年付き合ったカップルが、どちらかの誕生日、
「結婚してください」と告白すれば、
イマドキの言葉を使うなら
「次のフェーズ」に進めるわけだが、
そぅゆー「プロポーズ力」がない。
(ぷろぽーずか、じゃなく、ぷろぽーずりょく。
漢字のチカラです、最後の一文字は…)

もちろん我々日本人は「察する」人種なので、
かなりの効力は発揮するとは思います。

知ってか知らずか、4月7日は・・・
天保11年の今日(西暦だと1840年)
江戸・河原崎座で歌舞伎の『勧進帳』初演
・・・と言われている。

源義経一行の北陸逃避行の折に
安宅の関(現在の石川県小松市)で
弁慶が勧進帳を朗々と読み上げる場面等が
有名な演目。
弁慶の巻物には何も書かれてはいない。
が、関守の富樫左衛門は総てを承知の上で
一行を奥州へと通す。

コロナウイルスへの「緊急事態宣言」が、
日本を代表する舞台よろしく
「何にもない」発布を飲み込んで大団円となれば、
かなりドラマチックで、クールと言える。

(都民の一人として都のトップの好むカタカナも
最終行に、少々インレイしてみてたりもした)
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きのうのランドスケープ

2020年04月06日 | 制作公演関連
週末の不要不急の外出を控える第二週目が終わり、
今日から2020年4月の第二週が「実質」動き出す。



が、写真は昨夜の池袋。
いまだはためくTokyo2020のフラッグ。
ただ都もしくは区の職員の方も、
それどころではないのかもしれない。

そんな、4月5日といえば。
1992年、ペルー大統領の非常事態宣言が
記憶に残っていることだろう。

と書きながら、実は私に印象はない。
けれども、その大統領がアルベルト・フジモリ
と聞けば「あぁ、そんなことあったぞ」とは思う。

議会を解散し、憲法を停止した所謂「アウトゴルペ」。
日本では「自主クーデター」と説明される。
ムッソリーニやヒトラー、さらには李承晩、
スカルノやムシャラフなども実施している。

まぁ、それらは政権に関する「非常事態宣言」で
今我々が「いつ出るのか出ないのか」の、
それとは異なるのだけれど

そんな日曜日。
東京では二日連続で100人超えの報道。



写メは二週間ほど前、観劇後のもの。
某劇団の作品の主人公が写真家ゆえに、
彼女の撮った、あるいは写った写真が
地域の幾つかの店舗に飾られていた。
その一軒にお邪魔した際のパシャリ
この数日後、そのカンパニーは上演を打ち切った。


3月下旬から日に日に状況が変わり、
演劇仲間からの連絡は上演中止か上演延期、
そのどちらかだ。
「新型コロナ対策」云々を施した公演という
選択肢は今やない。





ないと言えば、まだまだティッシュペーパー、
ウエットティッシュなどは品不足。

そう、昨日は日中docomoに行ったあとは
家に籠って、夕刻、通りを渡ったスーパーと
二階にあるドラッグストアに行ったのだった。
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四月五日の風景。

2020年04月05日 | 身辺雑記
週末の不要不急の外出を控えましょう、の
第二週目、との言い方は合っているのかな?

4月4日と5日は、百貨店や大手外食チェーンの
臨時休業も発表され、先週より自粛ムード増。



私の暮らす街のデパートもことごとく休み
(食品フロアは除く)
沈黙した建物を改めて見上げてみたら、
老舗なので思った以上に草臥れた外観。
そりゃ、1962年生まれだものな。
増改築もたびたびあって、
92年の増床時は「日本最大」にもなった。
(2003年松坂屋名古屋店がその座についた)

    

もちろん外出者はゼロではなく、
公園ではキャッチボールの父子や
小さい子供を遊ばせる母親たち。

それを目撃した私も外に出た一人だ。
ケイタイを紛失し、ついにスマホを手にした
(のは『マクベスの悲劇』本番中のこと)
そいつに昔の電話帳を
コンバートすべく近所のdocomoへ。
CDに落としたデータを握りしめて。

その道すがら。
桜の咲いた枝先を写メする女子を過ぎた。
誰かとの待ち合わせまでの間に、
拾った「春」をアルバムしているのか、
格段待ち人のいない、ふらりの散歩か……。


結局手にした白い円盤が間違っていて、
無駄足に終わり、帰宅。

テレビ観賞
ACジャパンのコマーシャルが
多い気がしたは、気のせいか?
たくさんの業種が苦戦を強いられ、
宣伝費が抑えられるとすれば、
3.11の時のように「公」のCFが増える。

肝心の「中身」に目を向ければ。
出演者の間隔が広くなり、
さらにはテレワークも実施され、
ドラマの撮影が滞ったあおりを受けて、
ゴールデンに再放送やダイジェスト
・・・となれば益々テレビ離れが進む。

と、観客数が右肩下がりの演劇界の
言える筋合はないか。


そんな我が身。
『マクベスの悲劇』の上演が終わり、
次は第342回公演『心の嘘』の準備に
本格的に着手するのだが・・・
延期も視野に調整中である。



上は『マクベス~』キャスト・スタッフの集合写真。
三列目、左から二人目。
本作で衣裳プランを務めていただいた
佐々波雅子氏の誕生日(4月6日)から始まる
この週は、どんな一週間になるかしら……。
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公演終了のご挨拶~『マクベスの悲劇』終幕

2020年04月03日 | 俳優座
4月3日、『マクベスの悲劇』は千秋楽を迎えました。

改めてご来場いただいた方々に深く御礼申し上げます。
また、様々な形でのご支援や、上演中止の提言も含め、
劇団俳優座へのお声掛けに深謝いたします。

初日を後ろ倒ししたあとも日々変わる状況に
中止も視野に朝を迎えた毎日。
その過程は、結局「過程」にしかすぎないので
命に対する軽視と受け取る方々も多かったかと。
一方、決して多くはないお客様を迎えながら、
その励ましに応えたいと、まだ暮れるのが早い
人の少ない街を帰る毎日でもありました。





シェイクスピアの『マクベス』を新訳上演するに留まらず
担当制作イソノウツボのアイデアで、
様々な関連企画(ボードゲーム会など)も立ち上げ、
或いはスコットランド協会のパーティーにお邪魔して、
新しい出会いが多かった公演となりました。





そして未曾有のウィルスが忍び寄り、
作品を創り上げるとともに、
未知未見の敵に立ち向かい始めたのは
随分遠いことのように思われる。



でもそれは。
東京の片隅の小さき劇団の苦闘。
日本は、そして世界は、
比較にならない「今」と壮絶な闘いの中だ。
そして、それはまだ先が見えない。

劇団俳優座『マクベスの悲劇』。
末筆ながら細心の対策を講じて、
全公演を終了したことをご報告するとともに
繰り返しになりますが、感謝申し上げます。

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四月馬鹿と、へのへのもへの。

2020年04月02日 | 鑑賞
織田作之助の掌編小説『四月馬鹿』。
昨日の弊ブログで触れた。
武田麟太郎の急逝に寄せた、
彼に対する愛の深い作品だと。

織田と言えば、衆知のとおり
「無頼派」、しかも三羽烏の一人。

まったく個人的な話だか・・・

太宰治は、父の故郷の英雄で、
夏休みの帰省時には当たり前に
斜陽館、芦野公園や小泊など、
太宰ゆかりの地を訪れたものだった。
(父が格段、ダザイストだったわけではなく、
津軽の観光地を巡るイコール
太宰ゆかりの地になっちゃうわけだが…)

縁とは不思議で、2017年には
太宰の朗読をライフワークとする
原きよ氏とも出会い、三鷹で
彼女主催の公演に制作でついた。
(三鷹は太宰が眠る場所でもある)

坂口安吾は大学が同門。
しかも文学部で、さらに三哲
(哲学科、印度哲学科、中国哲学文学科)
の、先輩は印哲、私は中哲なので、
かなり近しい学科と謂える。
2013年には二つが一つの学科になった。
東洋思想文化学科というらしい。
また。
私が1997年~2009年まで在団した
某劇団の程近くの小学校で、
坂口が代用教員をしていたのは有名で、
下北沢演劇祭の目玉企画のひとつ
「世田谷区民演劇上演グループ」の
稽古場として、その小学校を使ったことも。
その制作も長年務めた。

・・・要は、無頼派三羽烏の中では
織田への思い入れが一番小さいと。
それだけのことに随分文字数を使った。


無頼派といえば「ルパン」。
銀座の文壇バー。

ルパンといえば『ルパン三世』。
銭形のとっつぁんが逮捕した……
と思いきや、ルパンのジャケットを着た
案山子にすりかわるのはよくあるパターン。
で。
その顔は、へのへのもへじである。

ここでようやく『四月馬鹿』に戻る。

武田の原稿があがらず、
印刷所に缶詰になるくだりがあり、
武田はその状況でも筆が進まず、
原稿用紙に落書きをする。

それが・・・へのへのもへの

〈へのへのもへの〉?
思わずググってみた。
一説では、江戸時代の上方が
発祥起源で「へのへのもへの」の他
「へのへのもへまる」「へのへのもへまろ」
などがあり、関東へも伝播。
歌川広重の新法狂字図句画に登場する
侍の顔に「へへののもへいじ」。

成程。歴史があるのだな。

さて、恐らく、新型コロナに対しての
精神的疲弊のせいなのだろう。
国民の選んだ彼らは日夜精一杯に
国民のために働いてくれているのだ。
そんな国会議員の顔が、
へのへのもへじに見えるのは、
繰り返しになるけれど、
私の「コロナ疲れ」のせいに違いない。
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わたぬき

2020年04月01日 | 身辺雑記
四月一日。しがつついたち。
「わたぬき」とも読むことができる。
春、暖かくなって着物の綿を抜く、
そんな季節感に由来する。
最近は暖冬も多く、桜の開花も早まり、
なるほど四月にね……、と
やがてはそんな説明が定着しちゃうかな?
本来は、言うまでもなく旧暦の四月、
つまり、今の五月に当たるわけで、
そう考えればリアルである。

そして四月一日と言えば、
エープリルフール。
だけれど。
今年は嘘が、はばかられる気配。
天気も悪く、気分も塞ぎがちだ。



四月七日からの公演を予定していた
劇団俳優座自主公演
『声の絵』は延期のはこび。

三月の、区民センター公演を延期し、
四月に劇団稽古場での上演を目指した
演劇研究所の『三人姉妹』は、中止となる。

収束が見えないどころか、
ますます感染が拡がる「新型コロナ」と
向き合った上での選択である。

残念ながら、すべて本当
「四月馬鹿」ではない。

絵文字を使っている場合ではないが、
せめて見た目だけでも明るくなれば……
そんな二〇二〇年四月一日です。

そうそう。
『四月馬鹿』という小説があったな。

【はしがき
武田さんのことを書く。
――というこの書出しは、
実は武田さんの真似である。】

で始まる織田作之助のもの。
一九四六年六月、「光」誌の
五・六月合併号に初出。
武田さんは、武田麟太郎のこと。

その年の三月三十一日に急逝し、
武田の訃報が四月一日に発表され、
織田が哀悼とともに綴った短編。



とても面白くて、沁みる作品でもある。
そうだ、時節柄、読書の機会を増やそう。

読まなければいけない戯曲も
沢山あるのだ、そう言えば。

スマホでも読めちゃう時代。
あ、遅ればせながらとゆーか、
意地をはってガラホ二ツ折りで
頑張ってきたけれど、三月半ばに
携帯を紛失・・・
これまでは概ね見つかったけれど。
今回は諦めて、ついにスマホに。

なんともまとまりのない
四月一日、結婚記念日が終わろうとしている。
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