図書館から借りていた 清水義範著 「尾張春風伝」(上)(下) (幻冬舎) を やっとやっと読み終えた。
相互フォロワー登録しているtappe様から 大分前に紹介されていた書だが ふと思い出して借りてきたものである。
「尾張春風伝」(上)(下)
目次
(上) 春風、時代、変事、三家、初恋、突風、幼君、密会、急流、遊蕩、絵島、将軍、吉宗、雌伏、始動、
(下) 白象、運命、慈忍、祭礼、革命、対立、自由、挑戦、巻狩、心中、出火、戸山、暗雲、破局、尾張、
徳川御三家筆頭尾張徳川家の藩主の末っ子(第二十男)に生まれた通春は、尾張藩を継ぐこと等とても考えられない立場であり、自由で伊達を愛する快男児だったが 思いもかけない運命のいたづらで 尾張徳川家七代目藩主徳川宗春となる。
時は 第八代将軍徳川吉宗の時代、まるで正反対の性格の吉宗に対抗するかのような大胆な藩政改革を進めるも 吉宗の陰謀、幕府の権力、尾張藩内の姑息な体質に敗れ 隠居謹慎に至る。
宗春に関しての資料は ほとんど残されていないのだそうだ。
歴史から葬られ 地元名古屋の人にも忘れ去られていたような人物であるという。
正直 この書を読んで 「へー!そーなんだ」と 目から鱗が落ちる思いだ。
名古屋出身の著者 清水義範氏が 僅かな手掛かりから 宗春の人物像を描き出して その存在を 「春風のような爽快感」にしてみせている。吉原での遊蕩、派手派手な言動等 かなり極端な場面も有りの徳川宗春一代記、
長編時代小説としての面白さがある。