図書館から借りていた 平岩弓枝著 「山茶花は見た」 (文春文庫)を 読み終えた。
「御宿かわせみシリーズ」の第4弾目の作品である。
本書には 表題の「山茶花は見た」をはじめ、「女難剣難」、「江戸の怪猫」、「鴉を飼う女」、「鬼女」、「ぼてふり安」、「人は見かけに」、「夕涼み殺人事件」の 短編8作品が収録されている。ほぼ 1話完結の連作短編構成になっているため 記憶力減退爺さんにも すこぶる読み易い。

平岩弓枝著 御宿かわせみ4 「山茶花は見た」
御宿かわせみシリーズは 江戸時代末期、江戸大川端(永代橋の西詰あたり)の小さな旅籠「かわせみ」を舞台に 女主人庄司るいと るいと夫婦同然の八丁堀り与力の次男坊神林東吾、東吾の親友で八丁堀り定廻り同心畝源三郎、「かわせみ」の老番頭嘉助、「かわせみ」の女中頭お吉等、お馴染みの登場人物が中心となって 次々巻き起こる市井の事件を解決していく捕物帳であるが 随所に 四季折々の風物が配され、江戸情緒もたっぷり味わえ、また るいと東吾の恋愛物語、東吾と源三郎の青春物語としても楽しめる作品であると思う。
「かわせみ」の女主人るいは 元々鬼同心と言われた庄司源右衛門の一人娘だったが 父の死後 本来ならば養子を迎えて家を継ぐべきところ 同心株を返上し 小さな旅籠を始めて 5年を越えた。
るいと東吾とは幼馴染であるが 片や旅籠の女主人、片や与力の跡継ぎに目されている立場、正式に結婚出来ないまま 時が流れている。作中 るいは なかなかの美人で、細やかな気遣いが出来る女性に描かれているが そこは 元鬼同心の娘、たびたび女長兵衛を気取る情け深さや気丈さを見せ 勇敢に小刀を振るう場面も有り、痛快である。
御宿かわせみシリーズは 超長編小説で有り 手を伸ばすのを躊躇してしまいがちだが 1話完結連作短編構成なので
1作品づつ ゆっくり読んでいけるのがいい。
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つい数年前までは 「読書」の習慣等 全く無かった類である。
子供の頃は 本を読みたくても 買ってもらえるような暮らしで無く、
1学年1クラスの小さな山村の小学校、中学校の図書室の蔵書は
みすぼらしいもので 「読書」する習慣等 生まれようが無かった。
就職、結婚、子育て、そして 70代まで続けた自営業の数十年間は
時間的余裕、精神的余裕も無く
やはり じっくり 本を読む習慣等は身に付かなかった。
やっと完全に仕事を辞めた数年前のこと、
相互フォロワー登録しているある方から
藤沢周平作品を紹介されたことが有った。
目から鱗。
早速 それまで縁が無かった図書館に出向き 借りてきて読んだが
そのことが有ってから
徐々に 「読書」の習慣が身についてきたような気がしている。
本当は 本を読むことが好きだったのかも知れない?
もし ブログから刺激を受けなかったら
それにも気が付かなかったかも知れない。
今更になって 「読書」?・・・等という思いと
やっと 「読書」する時間が 出来たんだ という思いと
本を読み進めるには 多少頭を使う分けで
ボケ防止になるかも知れない という思いと
複雑ではあるが
出来るだけ 読み易い、肩の凝らない、時代小説を中心に
これからも ボチボチ読んでいきたいものだと思っているところだ。
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