図書館から借りていた 諸田玲子著 「別れの季節」(新潮社)を読み終えた。人気の「お鳥見女房シリーズ」第8弾の作品である。本書には 表題の「別れの季節」の他、「嘉永六年の大雪」「大鷹の卵」「黒船」「御殿山」「天狗の娘」の連作短編6篇が収録されている。
3年前に 「お鳥見女房シリーズ、第1弾~第7弾」を読み終えていて、その時点では、「完結?」と思い込んでいたものだが、つい最近になって、2年前に第8弾が発刊されていたことを知り、3年振りの「お鳥見女房シリーズ」。記憶力減退爺さん、登場人物、筋書き等 ほとんど記憶曖昧になっており、過去の記事を振り返り、行ったり来たり、思い出しながら、懐かしい感じで読み終えたところだ。
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第1話 嘉永六年の大雪
第2話 大鷹の卵
第3話 黒船
第4話 御殿山
第5話 天狗の娘
第6話 別れの季節
それぞれに独立した次男久之助、長女幸江、次女君江にも孫がおり、矢島家の当主である長男久太郎、恵以(えい)夫婦にも孫娘の沙耶(さや)がおり、珠世(たまよ)は 隠居しても尚御用屋敷へ足を向ける夫伴之助と居候の登美、村井次左衛門と共に7人で、幸せを噛み締めて暮らしていたが、浦賀沖に黒船来航で騒然。さらに小田原大地震。不穏な幕末の時代、頻発する問題、試練が襲いかかるが、珠世は、もちまえの明るさで対処していく。第6話の「別れの季節」では、かって矢島家の居候だった、家族同然の稲垣家家臣石塚源太夫が小田原に帰郷することになる物語。源太夫が江戸を去って、入れ替わりに矢島家を訪ねてきたのは勝又三郎衛門?、珠世は留守、恵以は もしここに珠世がいたらどうする?・・。「わかりました・・」。かって鷹姫と呼ばれた気丈な恵以が、すっかり珠世になり切っており、来るもの拒まず・・千客万来。
筆者が 「あとがき」で、「「珠世さんのお鳥見女房」を締めくくることが出来て・・・」と記述しているところを見ると、もしかしたら、「珠世のお鳥見女房シリーズ」から 「恵以のお鳥見女房シリーズ」へ バトンタッチされるのかも知れない等と思ってしまっている。
「読書記」振り返り記事 諸田玲子著 「お鳥見女房シリーズ」
第1弾「お鳥見女房」→ 2018年10月12日
第2弾「蛍の行方」 → 2018年10月14日
第3弾「鷹姫さま」 → 2018年10月17日
第4弾「狐狸の恋」 → 2018年10月19日
第5弾「巣立ち」 → 2018年10月24日
第6弾「幽霊坂の涙」→ 2018年10月26日
第7弾「来春まで」 → 2018年10月28日