たけじいの気まぐれブログ

記憶力減退爺さんの日記風備忘雑記録&フォト

君がため 惜しからざりし 命さへ 長くもがなと 思ひけるかな

2021年11月26日 21時22分01秒 | 懐かしい小倉百人一首

足腰大丈夫な内に、出来る限り不要雑物整理をしようと決心してから久しいが、正直あまり捗っていない。書棚や天袋、押入れ等に詰め込まれていた古い書籍や辞書、百科事典等の類も、ここ数年間で大胆に整理処分してきたつもりだが、中には、「これ、面白そう?」等と目に止まり、残してしまったものも結構有る。その中のひとつに、多分、長男か次男かが、学生時代に使っていたものに違いない、小町谷照彦著 文英堂の「小倉百人一首」(解説本・参考書)が有る。パラパラとページを捲ってみたところ、なかなか詳しく、分かりやすく、決して、「今更 向学心?」なーんてものではなく、子供の頃、作者や歌意も分からないまま、正月になると必ず家族でやっていた「百人一首かるた取り」を思い出して懐かしくなってしまったからである。
「小倉百人一首」は、奈良時代から鎌倉時代初期までの百人の歌人の歌を、藤原定家の美意識により選び抜かれた秀歌であるが、時代が変わっても、日本人の心情が呼び起こされるような気がしてくる。
ブログネタに?、頭の体操に?、いいかも知れない等と思い込んでしまい、昨年、一昨年、「春」「夏」「秋」「冬」、季節を詠んだ歌を取り上げて、ブログに書き留めたが、今回は、最も数の多い、「恋」を詠んだ歌を取り上げて、順不同、書き留めてみることにした。

(ネットから拝借画像)


百人一首で「恋」を詠んだ歌 その6

君がため 惜しからざりし 命さへ
長くもがなと 思ひけるかな

出典 
後拾遺集(巻十二)

歌番号 
50 

作者
藤原義孝

歌意
今まで、あなたに逢うためには、
惜しいとは思わなかった私の命までも、
逢うことが出来た今は、長生きしたいなあと
つくづく思うようになりましたよ

恋する女性と深い関係になる前と、
なってから後の気持ちの変化を詠んだもので、
詠まれた相手の女性は感動したに違いない歌だ。

 注釈
「君がため」・「あなたに逢うため(深い関係になるため)」の意。
「長くもがな」・「もがな」は、「してほしいな」の意。


藤原義孝(ふじわらのよしたか)
謙徳公伊尹(けんとくこうこれただ)の三男。
藤原佐理、小野道風と共に書道に優れた三蹟の一人藤原行成(ふじわらゆきなり)の父。
痘瘡のため、21歳で没した薄命の貴公子。


参照・引用
小町谷照彦著「小倉百人一首」(文英堂)


 


ますます短くなっている日長時間

2021年11月26日 16時47分22秒 | 暮らしの記録

毎週金曜日は、食料等のまとめ買いに付き合わされる日、
まるでお抱え運転手、あっちだ、こっちだ、指図され・・・・・。
当地、今日も、快晴、
やや冷たい風が強かったが、陽だまりは温か、
遅い昼食後、近くをちょこっと歩いてきた。
スマホの歩数計で、約6,800歩。
  右左上見て下見る爺散歩、
今日は、なーんにも無し。
ダイサギ1羽、首すくめ、

日没

当地、今日の日の出時刻は 6時29分頃、日の入時刻は 16時30分頃、
日長時間は 約10時間1分、
あっという間に、1日が終わってしまう感じだ。

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浅田次郎著 「大名倒産」(上)(下)

2021年11月26日 10時13分35秒 | 読書記

図書館に、2ケ月以上も前に予約していた、浅田次郎著 「大名倒産」(上)(下)(文藝春秋)、やっと順番がきて、先日借り、読み終えた。

「大名倒産」(上)(下)

主な登場人物、と神様
松平和泉守信房(小四郎・第十三代丹生山松平家当主、21歳)、磯貝平八郎(近習から御用人に、小四郎の幼馴染)、矢部貞吉(近習から大納戸役に、小四郎の幼馴染)、新次郎(小四郎の次兄)、喜三郎(小四郎の三兄)、比留間伝蔵(水売り、小四郎の助っ人)、小池越中守(大番頭、塩引鮭大好き)、間垣作兵衛(小四郎育ての親、武士の鏡)、なつ(お夏の方、小四郎の生母)、御隠居様(第十二代松平和泉守、茶人一孤斎、百姓与作、名工左前甚五郎)、平塚吉左衛門(江戸家老)、天野大膳(江戸家老)、橋爪左平次(勘定方)、楠五郎次郎(江戸御留守居役)、加島八兵衛(下屋敷用人)、清右衛門(三井越後屋の元締番頭)、板倉周防守(寺社奉行兼月番老中)、佐藤惣右衛門(国家老)、鈴木右近(国家老)、仙藤利右衛門(丹生山領内きっての豪農)、上人様(浄観院住職)、正心坊(小四郎と異父兄弟、盲目)、仁王丸(本名・善助)、大黒屋幸兵衛(日本橋室町の両替商)、伊兵衛(大黒屋丹生山先店の番頭)、鴻池善右衛門(三井、住友と並ぶ天下の豪商、23歳)、貧乏神、死神、寿老人、恵比寿天、弁財天、大黒天、毘沙門天、布袋尊、福禄寿、

諸大名が、深刻な財政危機に直面していた幕末期、越後丹生山(にぶやま)松平家、三万石は、借金総額=25万両、年間支払利息=3万両、年間歳入=1万両、という財政挽回不可能な状況に陥っていたが、第十二代当主は、古今に例の無い、倒産により改易で大名幕引きをするという大名倒産計画を立てた。改易の責任は、第十三代の当主に腹を切らせれば良いと考えて隠居してしまったが、嫡男が急逝、次男、三男は、当主不適格?、白羽の矢は、下働きの娘・なつにお手を付け産ませ、庶子として足軽間垣作兵衛の子として育てられていた間垣小四郎を実子として認知、家督を継がせた。ところが、この21歳の若き当主、藩財政の実態を知り、仰天したものの、クソ真面目な性格、財政再建に取り組み、御隠居の大名倒産計画が、次々と崩れていくという筋書き。
上巻、下巻の表紙帯には、
「思いも寄らぬ舞台に引きずり出されてしまった若き御殿様の運命やいかに!」
「倒産を目論む父と阻む息子の対決は、神仏までも巻き込んで・・・」と有る。
個性的な登場人物が、代わる代わる主役級となって活躍するが、浅田次郎独特のユーモアが満載、時には、泣かせる場面有り、人間には見えない神様までが、物語の展開に、黒子のように登場するという、深刻、暗い、重いテーマの物語にも関わらず、笑いと涙の愉快な長編時代小説である。
物語の主たる舞台は、江戸と越後丹生山藩。丹生山藩は、架空の藩ではあるが、物語後半で、「塩引鮭」が大きく取り上げられていることから、モデルは、村上藩(現在の新潟県村上市周辺)であろうと考えられる。