たけじいの気まぐれブログ

記憶力減退爺さんの日記風備忘雑記録&フォト

池波正太郎著 「まんぞく まんぞく」

2023年01月20日 13時44分16秒 | 読書記

図書館から借りていた、池波正太郎著「まんぞく まんぞく」(新潮社)を、読み終えた。つい先日、雨降りの日に、テレビ奉行?の妻が録画しておいてくれた、昨年2022年12月30日放送、NHK-BSプレミアム、ドラマ「BS特集時代劇、まんぞく まんぞく」を観たばかりだが、その原作を読んでみたくなり、借りてきた書だ。本書は、「週間新潮」の昭和60年5月30日号から11月28日号に連載された長編時代小説だった。

 

▢目次
 「白い蝶」「九年後」「稲妻」「復讐」「菊日和」「急迫」「引鶴」

▢主な登場人物
 堀真琴(主人公)、堀内蔵助直照(堀真琴の伯父、旗本)、弥栄、
 鈴木小平太、山口庄左衛門、山崎金吾、
 佐々木兵馬(堀真琴の亡き実父)、元(堀真琴の亡き実母)、
 万右衛門、千代(万右衛門の姪)、
 織田平太郎道良(後に、堀平太郎道良)、織田兵庫、間宮新七郎(道場主)、
 桑田勝蔵(道場主)、関口元道(町医者)、
 友次郎(岡っ引き)、新蔵(岡っ引き)、お兼、小川佐七郎(南町奉行所同心)
 三河屋清七、
 戸田金十郎、井戸又兵衛、中島辰蔵、佐久間八郎(道場主)、
 滝十兵衛、沢井弥五郎、

▢あらすじ
江戸時代、老中田沼意次が権勢を振るっていた時代を舞台にした、女性剣士を描いた作品で、主人公は、大身旗本の堀内蔵助直照(ほりくらのすけなおてる)の姪で、実父(佐々木兵馬)、実母(元)の本当のことを明かされぬまま、後に伯父堀内蔵助の養女となる堀真琴(ほりまこと)
病床の乳母やすの見舞いに行った帰りに、浪人者2人組に襲われ、あわや犯されそうになった時、助けてくれたのは、町医者関口元道だったが、供の山崎金吾が殺されてしまう。真琴は、親とも思っていた山崎金吾を失い、その敵は自分で討つ決心をするが、旗本の娘が、家来の仇討ち等出来るはずもなく・・・・。
「九年後」では、剣術道場に通う男装をした堀真琴の姿を見ることになる。真琴は、実父、実母の本当のことを明かさぬ伯父堀内蔵助に不信感を持ち続け、反発、苛立ち、鬱憤バラシ、身勝手な言動に走る・・・・・、
百姓屋で、万右衛門千代と暮らしたり、縁組の話を持ちかけられた旗本の三男坊織田平太郎からは、「このような女、抱く気にもならぬ」と侮蔑され、お互いに意地を張り合い、関口元道からは、とことん諭され、一方で、逆恨みから命を狙われる真琴、「もはや,これまで」・・観念し・・・、「急迫」「引鶴」が、クライマックスになる。
病身を押して奔走していた伯父堀内蔵助は、後継者が決まって「まんぞく」。真琴、平太郎に、「わが家をたのむ」と言い残し死去。真琴も、意地を捨て「まんぞく」。物語の最後の最後で、万右衛門も、真琴の実父佐々木兵馬、実母元、山崎金吾についての秘密(真琴が知りたがっていた意外な事実)を明かさず胸に抱いたまま死去。「まんぞく」。
「もう わしは、何ひとつおもい残すことはない。・・・。安らかな死顔である。あたたかい日ざしが前庭にあふれ、北国へ帰る引鶴の群れが空をわたっていた。(完)」

 


この記事についてブログを書く
« 大寒に まけじと老いの 起... | トップ | 「冬の星座」と「愛しのモー... »

読書記」カテゴリの最新記事