文春文庫 2008年
久々のシーナSF作品との出会いだった。もちろん、
問題になってくるのはひとつ目女だ。
人工的にセックス目的でつくられたというひとつ目女。
その親となるラクダを探して欲しいという依頼から
はじまる冒険譚。それらは、じょじょにいろいろ明ら
かになっていくが、美しいとされるひとつ目女が、この
物語のキーとなっていくことは間違いない。
世界観としては、トーキョー、や、ヒビヤ公園など
実在の所在地をつかっている。これは、未来のトーキョーと
近縁の地を舞台にした物語らしいのだ。
ぼくの読書欲といったものが、減退傾向にあり、なんか
読みたくない、といった日も多かったが、しかとこれだけは
読まねば、と熟読してしまった。
シーナ・ワールドに読んでいる間は浸れるので、おもしろい
活字冒険の日々を送れたのであった。
(読了日 2022年5・21(土)0:37)
鶴岡 卓哉