古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

コンビニ・ララバイ   池永陽

2022-08-19 03:27:07 | 小説の紹介

集英社文庫    2002年

 

処女作「走るジイサン」がよかったので、古本屋に

 

並んでいたので、速攻買ってみた。

 

ヤクザに惚れられた治子も、シナリオライター志望

 

の青年と離婚したばかりの照代も、万引きするエン

 

コ―する女子高生の加菜子もなにを求めるかというと

 

この世で救済されたい、と願っている。「救済」とい

 

うと宗教めいてくるが、ぼくの言っているのはキリスト

 

的なことではない。なんでもいいのだ、散歩でもいいし、

 

趣味でもいい、そんなことに救われたい、と思ってい

 

るのだろう。

 

ここで問題になってくるのは、執拗にでてくるセックス

 

だ。そんなにセックスは大事だろうか? 池永氏にとっ

 

ては何を置いてもセックスが大事らしいのだ。それが、

 

この小説を、なんていうか、下品というか、下世話な

 

ものにしてしまっているのではないだろうか。ま、ぼ

 

くがあまりセックスに興味がないからだろうが、あま

 

りにセックス、セックス言うのもどうかと思う。

 

最後の老人の恋のエピソードはけっこうコメディ

 

になっていて、思わず笑ってしまった。死んでも

 

いいからセックスしたいって、ふふっ、セックス

 

なんて大したことないでしょ。もっと大事なことは

 

いっぱいあるはず。そんなにしたいかね、セックス?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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