講談社文庫 2013年 「妻が椎茸だったころ」所収
ラフレシアナとは、ネペンテス・ラフレシアナという食虫
植物のこと。
さるパーティーで立花一郎というごく平凡な名前の男と出会う。
というか、遭遇する。亜矢という女性。それがきっかけで、近所に
住んでいた一郎に、ネペンテスの世話を二週間任される。
それからほどなくして、一郎にはラフレシアナのような毒々しい
カノジョができる。どうかと思った亜矢は、一郎をパーティー
に誘った友人にも相談するが、一郎はネペンテスのような女に
夢中で、あんなに熱中して育てていたネペンテスの温室も捨て
てしまっている。激怒した亜矢に、一郎は引っ越しする、
ネペンテスもネットで売ってしまった、という。その亜矢の
部屋はかつての一郎の部屋のようにシンプルで、食虫植物をいくつも
育てているという話だった。
まあ、ヘンな話と言えばヘンな話だ。けど、この話、そんなに
キライじゃないような気がした。割りと好きな話ですらあった。
(読了日 2022 8・22 4:04)
(鶴岡卓哉)
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