古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

ラフレシアナ    中島京子

2022-09-19 03:01:00 | 中島京子

講談社文庫 2013年 「妻が椎茸だったころ」所収

 

ラフレシアナとは、ネペンテス・ラフレシアナという食虫

 

植物のこと。

 

さるパーティーで立花一郎というごく平凡な名前の男と出会う。

 

というか、遭遇する。亜矢という女性。それがきっかけで、近所に

 

住んでいた一郎に、ネペンテスの世話を二週間任される。

 

それからほどなくして、一郎にはラフレシアナのような毒々しい

 

カノジョができる。どうかと思った亜矢は、一郎をパーティー

 

に誘った友人にも相談するが、一郎はネペンテスのような女に

 

夢中で、あんなに熱中して育てていたネペンテスの温室も捨て

 

てしまっている。激怒した亜矢に、一郎は引っ越しする、

 

ネペンテスもネットで売ってしまった、という。その亜矢の

 

部屋はかつての一郎の部屋のようにシンプルで、食虫植物をいくつも

 

育てているという話だった。

 

まあ、ヘンな話と言えばヘンな話だ。けど、この話、そんなに

 

キライじゃないような気がした。割りと好きな話ですらあった。

 

           (読了日 2022 8・22 4:04)

                        (鶴岡卓哉)

 


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