古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

天球儀文庫    長野まゆみ

2018-12-19 12:13:24 | 長野まゆみ
河出文庫  (初)1991年~1992年


二十七年前に発表された四冊の本が、十三年前に一冊になって


出版された。


一周回って新たな作品世界が見いだされて、とてもボクは好き


である。


現在形で語ると世界観は変わってしまったらしいが、少年アリ


スといい、この作品群といい、この頃の長野さんの作品が、お


っさんだが、心は少年(自分で言う?)のボクは好んでいる。


宵里という少年とアビと言う名の少年の二人世界を描いているが


メルヘンチックな世界観と相まって、実に心地良い虚構を創り出


している。


言葉の使い方、漢字の使い方も凝っていて、その世界を表すのに


有効に働いているように思う。


もっと読まれてもいいし、知られても良いと思う神がかった作品


である。

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