ディック傑作集③ ゴールデン・マン所収 ハヤカワ文庫
カフェでのやり取りに始まるこの短編。そして、このゴー
ルデン・マンと呼ばれる金色のミュータントの捕りもの帖
に入っていく。ミュータントという存在をさりげなくカフ
ェの会話に挟んむという導入部分で、この世界に入ってい
ける。
これぞ、SFという感じの短編で、このころはP・K・ディック
はまったくといっていいほど売れていなかったらしい。
貧乏のどん底にいたらしく、はじめに、でそれもいつかは
終わる、とボクを慰めてくれているのか、と思わせる文章が
ある。そうなのだ、この貧乏状態もいつかは、終わって、
欲しいものだ、と思う。……合掌。